マンションには自然がない、なんてない。自然との「共生」で生まれる親子の会話と豊かな暮らし

2023年に「ライオンズマンション」からリブランディングし、生まれ変わった「THE LIONS」は、「THE LIONS 2050」プロジェクトにて2050年に向けたビジョン「THE LIONS JOURNEY」を提案しました。

住まいの既成概念にとらわれず、バックキャスティングの手法を用いながら、自由な発想で未来を模索したプロジェクトです。そこで浮かび上がってきた、人生の価値を高める3つの要素は、「未知」の設計、多様な「居場所」の創出、自然との「共生」です。

今回は、その中で“自然との「共生」”について語り合います。モデル・デザイナーの酒井景都さんは、2年前に鎌倉で建てた自邸にて、自然と「共生」する暮らしを送っています。「THE LIONS 2050」ディレクターの高橋愛莉さんと、語り合います。

自然の中にお邪魔させていただいている

酒井：私は今、鎌倉の自然の中で暮らしていますが、東京や横浜にいた頃から自然を意識してきました。東京では、中庭に竹林のある集合住宅に住み、横浜では、インテリアに観葉植物を取り入れていましたね。木の下でご飯を食べたくて、中央に植栽をセットできる仕様の大きなテーブルをオーダーメイドで作ったんです。作ってみると、植栽がそこまでは伸びなかったのですが……（笑）。

思い通りにならないのも自然ですね。今でも自宅のアトリエでこのテーブルを使って、植物と暮らしています。

自然光と緑の景観が両立する酒井さんの邸宅

高橋：現在お住まいのご自宅は、大開口の目の前に緑が広がっていますよね。

酒井：朝はウグイスの声で目が覚めることもありますね。リスが来たりもしますし、寝室から見える木にヘビが巻きついていたこともありました。自然と共生できているのは、子どもたちにとっても良い環境なのかなと思っています。

高橋：人が生きていく上で、人工物だけに囲まれていると息苦しくなってしまいます。植物や鳥、風といった自然とのつながりを感じられることで、より豊かな人生を送れるという考えのもと、「THE LIONS JOURNEY」のコンセプトを検討していきました。

今回、建築家の豊田啓介氏とともにコンセプトの設計を行っています。多孔性のあるデザインを取り入れ、人が住んで心地いいのはもちろんのこと、鳥が飛んできたら通り抜けることもできます。

海という自然の中を移動する建築なので、“自然の中にお邪魔させていただいている”という感覚で建築物を作りたいと考えました。海上を移動することで、生態系や自然環境を壊すのではなくて、むしろ貢献できるような新しい価値を生む建築にしたかったんです。例えば、マンションの屋上が渡り鳥の宿営地になったり、海上を浮遊するフロートの部分が魚礁となり、海洋生物に居場所を提供したりして、人だけではなく、さまざまなスケールで生物多様性を育み、まさに「共生」の場所として提案しています。

自然との共生によって生まれる会話がある

酒井：私も自然との「共生」について、鎌倉の自宅でよく考えます。前の日に遅くまで起きていても、日の出や鳥の声で早起きになって、下の子どもを幼稚園に行かせるまでの間に何時間もあるんです。その時間を使って、近所の海へ散歩に出かけるようになって。海でコーヒーを飲んで、少しゆっくりして帰ります。自然と共生している感覚を、日常的に抱くことができています。

高橋：海での散歩、いいですね。自然の空気を身体に取り込めますし、風で木が揺れて聞こえる音、海の波、雲も毎日異なっていると思います。そういった自然の変化を、日常的に五感で感じられているのが、非常に素敵だと思います。「THE LIONS JOURNEY」に住む未来の人々にも、酒井さんのように自然と共生してほしいと思いました。

ほかには、鎌倉での暮らしにおいて、どんな風に自然と「共生」されていますか？

酒井：夫が子どもを、車で幼稚園に送っていたのですが、そのときに海岸沿いの道を通るんですね。夫は必ず「今日はどんな海？」と尋ねていて、娘は「怒っている」「静かだね」というように、表現豊かに伝えてくれるそうです。

また「今日は富士山が見えるか、見えないか？」とクイズにしていて、曲がり角を曲がったら答えがわかるんです。そんな風にして、楽しみながら天気や海の調子を観察するのが娘の日課になっています。

高橋：まさに、共生されているんですね。自然と共生する毎日が続いているからこその会話なんだと感じました。「THE LIONS JOURNEY」でも、都市だけの生活では生まれなかったような会話が生まれることにも期待したいです。

自然の中にたたずみ、上質さを醸し出すマンション

酒井：私は、都市も自然も両方好きなんです。私たち家族は、夫はキャンプが大好きなWebデザイナーで、PCとWi-Fiがあればどこでも仕事ができるため、より都心から離れた地域に住むことも検討していました。ただ、私はモデルのお仕事では東京で撮影があったり、洋服を作るときにも生地を触る打ち合わせがあったりするので、離れ過ぎても困ってしまいます。

鎌倉であれば、都市と自然でシームレスにつながれます。都会の刺激も受けつつ、海で散歩できるぐらい自然と共生できるのが私たちの理想でした。「THE LIONS JOURNEY」は、都市的な部分も持ちながら、自然との「共生」が実現されているので、私はとても共感しました。マンション自体が移動しているので、自然の中で暮らしながら都心の仕事にも行けるイメージが湧きます。

高橋：ありがとうございます。デザインとしては、自然の中にたたずむ住まいであることと、THE LIONSブランドとしての上質さを両立できるように意識しています。レジデンスの屋上は、緑のある空間が広がっていて、人は芝生に寝転がってみたりすることができ、鳥たちも訪れて過ごせるようになっています。

CROSSING SYSTEM
JOURNEYシリーズ全棟が、統一の連結システムを有しており、海上で繋がり合い、自由にマンション間を移動し、次の住まいをお選びいただけます。（「THE LIONS 2050」より）

酒井：最近、たまたま芝生広場のあるマンションに行く機会があったんです。そこは芝生になっているフロアがあり、木が植えられ、子どもたちはかくれんぼをしていました。子どもにとっても安心だし、私たち保護者もゆっくり喋ることができて、最高でした。「THE LIONS JOURNEY」の屋上にも訪れてみたいです。

人生を選ぶ時代へ

高橋：JOURNEYの住まいをイメージした時に、酒井さんはどんなことを考えられますか？

酒井：今回、「THE LIONS JOURNEY」のコンセプトを拝見し、対談の機会をもらったことで、未来の住まいや暮らしについて考える良いきっかけになりました。

まず私は長く住める家を建てたかったので、木材などの建築資材にもデザインにも妥協しないようにしました。その点は「THE LIONS JOURNEY」の価値観と近いかもしれませんね。

家族のカタチは変わっていくと思います。子どもが大きくなって、もう家から出ているかもしれません。私自身は、今はまだ外に出かけることも多いですが、その頃は家にいる時間がもっと長いと想像します。家で、子どもたちもいない余白の時間が豊かになるようにしたいです。趣味の時間を増やしてもいいし、自然の中にもっと出て行ってもいい。大好きな家を拠点に生きられることが楽しみですね。

高橋：「THE LIONS JOURNEY」は2050年をターゲットにしたプロジェクトで、既成概念にとらわれずに住まいやマンションのあり方を考え直しました。2050年まではあと25年ありますが、今からでも実現できるポイントはあると思っています。例えば、物質的な豊かさだけでなく精神的な豊かさを得られるマンションとはどういうものか、私たちは今も考え、マンションを開発しています。

今回、「ライオンズマンション」が55年ぶりのリブランディングで「THE LIONS」となり、「人生には価値がある」という言葉を掲げました。住まいを選ぶ時代から、人生を選ぶ時代になっていくことを見据え、マンションデベロッパーのパイオニアとして答えの一つをここに掲げ、これからも挑戦を続けたいと考えています。

自然との共生は、大きな社会課題となっています。都市が発展し、地球の持続可能性を脅かしていることから、人類はSDGsなどの指標を定め、課題に取り組んできました。「THE LIONS JOURNEY」が「自然との共生」を掲げるのは、そうした課題への解決策の提案でもあります。人々の暮らしの豊かさをかなえながら、同時に、地球・自然・他の生物たちへ貢献します。未来のマンションのあり方に、改めて一緒に考えてみませんか。

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