女性だと働き方が制限される、なんてない。―彩り豊かな人生を送るため、従来の働き方を再定義。COLORFULLYが実現したい社会とは―
登録企業数3,000社超え、登録モデルユーザー数13,000人以上の「COLORFULLY」は、モデル・インフルエンサーと企業をつなぐプラットフォームとして2017年にサービスを開始した。立ち上げたのは株式会社COLORFULLYで、代表取締役社長を務める筒井まことさんだ。
サービス開始時は、女性が副業や兼業という働き方にチャレンジするケースがまだ少なかったが、徐々に「仕事は一つに専念しなきゃ」、「土日は休まなきゃ」といった既成概念の枠を超えた多様な働き方に注目が高まり、企業側・働く側の双方で意識も変化してきた。こうした背景を追い風に、全ての女性に「働き方の選択肢が持てるように」という想いでサービスを提供。本業だけに縛られないキャリアの可能性を、“複業”に見出す筒井まことさんは多様な働き方、多様な生き方を応援する。
国が推進する「新しい働き方の定着(※)」には、兼業・副業やフリーランスといった多様な働き方が含まれる。働き方改革に取り組む企業も増加しているが、その背景には「生産性の向上や効率化」または「そういう時代の流れだから」といった考えもあり、ワクワク感を感じることはあまりない。
株式会社COLORFULLY(カラフリー)が提唱する、それぞれの事情に応じたタイミングに興味のある案件で働きたい人とモデルを起用したい企業をつなぐ「COLORFULLY」は、兼業・副業にチャレンジしたい女性にとってワクワクする案件が多く、登録女性も順調に増えていった。
登録する動機がモデルへの憧れだけでなく、妊娠・出産でキャリアを断念してしまった女性、仕事の幅を広げたい女性、将来のことを考えて収入アップを目指す女性など、幅広いニーズに対応しているところも大きな特徴と言える。
マッチングサービス全盛の今、自分らしい生き方や働き方の実現にコミットする注目のプラットフォーム「COLORFULLY」が与える社会的価値とは。多様なライフスタイルに合わせた新しい働き方が模索される中、COLORFULLYが実現したい“自分らしい人生の見つけ方”について、筒井まことさんにお話を伺った。
▶▶読者アンケート実施中。アンケートは記事末尾から回答いただけます。◀◀
COLORFULLYのサービスを通じて、一人でも自分に合った働き方をチョイスできる。そんな未来を実現したい
活躍の場が欲しい女性と企業をつなげたい、その想いが原点
普段は会社員や専業主婦として働く女性が、週末や都合の良いタイミングにモデルとして活躍できる画期的なサービス「COLORFULLY」。2017年のリリース以降、女性や企業から問い合わせが増えている。
「現在、登録モデルは13,000人以上。みなさんのバックグラウンドはさまざまで、お医者さん、料理家・調理師の方、整体師、ヨガの先生、専業主婦、子育て中のママなどがモデルとして活躍されています。下は18歳から上は60代までと幅広く、母娘で登録されている方もいらっしゃいますね」
そう語るのは、COLORFULLY代表取締役社長の筒井まことさん。事業が大きく伸びている背景には、女性側のニーズに加えて、モデルに「リアリティ」や「多様性」を重要視する企業側のニーズがあるという。
「多くの企業が、従来のプロフェッショナルなモデルに加えて、ユーザーに近い親しみが持てるモデル(読者モデル層)を求めることが増えてきました。SNSの普及に伴い、インフルエンサーや等身大のモデルを活用する需要がさらに加速しましたが、企業とそういったモデルをつなぐサービスはほとんどありませんでした。
クリエイティブ制作に特化した会社として設立されたCOLORFULLY(旧社名モノクロム)では、これまでもモデルを起用するシーンが多く、企業側のニーズもひしひしと感じていたので、それならば!と始めたのがこのサービスです」
当初、分かりやすさとインパクトを重視して「週末モデル」というサービス名にしていたが、イメージが限定され過ぎてしまうのと「もっといろんな方の生活に彩りを添えられるような事業にしたい」という想いから、2021年に社名をCOLORFULLYに変更し、2022年に社名と同じサービス名称に変更したと、筒井社長は語る。
「都合の良いタイミングで自分に合った案件の仕事が見つけられるメリットに加え、モデルという仕事への憧れや興味から登録される人もいます。普段は営業職をされていて“取引先に対して自身のイメージをよく見せたい”という、さらなるキャリアアップを目的に申し込まれる人、結婚や出産を機に退職されて、時間があるので自分の新たな可能性を見つめ直したいという人など、モデル登録者の動機は本当にさまざまです」
プラットフォーム「COLORFULLY」を通じて生まれる可能性
COLORFULLYのサービスを通じて「女性に柔軟で多様な働き方の選択肢を提供していきたい」と語る筒井さん。その背景には、今の世の中は男性も大変だけど、妊娠や出産というライフイベントのある女性はもっと大変なのでは――、という考えがある。
「今の時代に、女性だから男性だからと偏ったジェンダー視点で考えるのはあまり良くないかもしれませんが、妊娠、出産といったライフイベントなどにより、やりたいことや好きな仕事を諦めてしまうケースが女性の場合は少なくないでしょうし、負担も大きいと言わざるをえません。
私は女性ではないので、完全に理解することは難しいのですが、女性の置かれている状況を踏まえ、『何かできることがないか』『その状況自体を活かせやしないか』と頭をひねりました。
従来、女性が産休をとってキャリアがストップしてしまうというケースは珍しくありませんでしたが、COLORFULLYを使えば、自分の新しいキャリアや可能性を見つけることも可能ではないでしょうか。出産という大きなイベントを控えたタイミングだからこそ、輝ける仕事もありますし、ユーザーに届くメッセージもあると思うのです」
実際にCOLORFULLYのサービスと出合い、モデルの仕事を通して「人生や生活の楽しみが増えた。毎日が充実している」「新しい目標ができた」という主婦の登録者も多い。
「現状では、自分らしい働き方ができる“仕組み”が整っていなかったり、それがあっても利用しようという“マインド”が持てなかったり、という障壁があるように感じています。COLORFULLYのサービスを通じて、一人でも多くの女性が自分に合った働き方をチョイスできる、そんな未来を実現させたいのです」
COLORFULLYの社内でも、従来の働き方だけにとらわれない想いのもと、柔軟で新しい働き方を提唱する。
「時間はとても大切なもの。出社や移動時間に縛られず、自由に時間を調整できるというのは社員にとって大きなメリットだと思います。COLORFULLYでは、フレックスタイム制を導入しているので、融通が利きやすく、複業してから出社したり、早めに帰って複業に取り組んだりする社員も多いですね」
未来を切り開く鍵はテクノロジー? AIモデルの活用を視野に
多様な働き方の支援に加えて「新しい技術を取り入れる」ことにも力を入れているCOLORFULLY。AIやVRなどの技術が進歩する中、筒井さんはモデル業の可能性を広げていくためにも、AI技術を活用したモデルキャスティングサービスに注力していきたいと語る。
「AIを使ったモデルには、大きく分けて2つのタイプがあります。1つ目は、完全な“仮想モデル”、2つ目は“リアルな人をベースとしたAIモデル”です。
COLORFULLYでは、その両方に対して取り組みたいと考えていますが、“リアルな人をベースとしたAIモデル”を活用する際、登録者13,000人分のAIモデルを用意できるということは大きなアドバンテージになると考えています。実際のモデルが稼働するのではなく、AIモデルが広告やプロモーションに参加することで、モデルという仕事の幅を広げることができますし、これによってモデル業の新たなビジネスチャンスが生まれ、より多くの方にモデル業の魅力を感じてもらえるのではないかと考えています。
モデルさん自身にとっても、その場所に向かわなくてもAIが仕事をしてくれるという状況をつくり出すこともできるため、AIモデルは本当に大きな可能性を秘めていると言えます」
クリエイティブの価値がもたらす、豊かな生き方
「働く」という概念は、いつの時代も暮らしや生き方と密接に関係している。働き方の選択肢は、本人の意思のもと自由であることが前提だが、ライフステージの変化によって働き方を変えざるをえないケースもあり、その生活や暮らしに対して不安や不満を抱いてしまう人も少なくないのではないか。
「私たちは、“彩り豊かな個性と、自由な生活、豊かな生き方を実現したい”そんな想いを『COLORFULLY』という社名に込めています。豊かな人生を送るには、仕事にしても趣味にしてもやっぱり楽しむことが大事だと思うんです。性別・働き方をはじめとする既存の概念や特定の価値観にとらわれず、さまざまな立場におられる方々の人生に彩りが増え、ハッピーになれるよう、クリエイティブの力で社会を変えることを目指しています」
モデルのプロデュース業を含め、クリエイティブな仕事に力を注いでいきたいと語る筒井さん。今後の事業に向けて意気込みを聞いてみた。
「自分のつくりたいものを生み出すクリエイターという仕事はとても素晴らしい職種だと思います。私たちは、そんなクリエイターたちを活かし、活躍しやすい環境を整えるプロデューサー的な立場です。“クリエイティブがもたらすものは無限大”という考えのもと、今後もサービスを充実させていきたいですね」
技術革新が進む中、AIなどが人間に代わってさまざまなタスクをこなす未来も遠くないかもしれない。そんな世の中で価値を発揮できるのは、「その人らしさ」が発揮され、「これが楽しい!」といったワクワクした感情が乗った仕事なのではないだろうか? COLORFULLYのサービスには、自分らしい働き方と豊かな生き方を実現できる可能性が感じられる。
取材・執筆:立岡美佐子
撮影:大浦タケシ
1979年、広島生まれ。株式会社COLORFULLY代表取締役社長。IT企業に入社、営業での成果を発揮。以後、さまざまなビジネスの立ち上げを経験する。制作力の重要性を感じ、制作を中心にクリエイターのマネジメントや事業を生み出す「株式会社MONOKROM」を立ち上げ、2017年12月に複業モデルアプリ「週末モデル」をリリース。2021年に社名をCOLORFULLYへ変更する。
会社HP https://colorfully.jp/
みんなが読んでいる記事
-
2023/09/12ルッキズムとは?【前編】SNS世代が「やめたい」と悩む外見至上主義と容姿を巡る問題
視覚は知覚全体の83%といわれていることからもわかる通り、私たちの日常生活は視覚情報に大きな影響を受けており、時にルッキズムと呼ばれる、人を外見だけで判断する状況を生み出します。この記事では、ルッキズムについて解説します。
-
2024/07/11美の基準に縛られる日本人【前編】容姿コンプレックスと向き合うための処方箋
「外見より中身が大事」という声を聞くこともありますが、それでも人の価値を外見だけで判断する考え方や言動を指す「ルッキズム」にとらわれている人は少なくありません。なぜ、頭では「関係ない」と理解していても外見を気にする人がこれほど多いのでしょうか?この記事では、容姿コンプレックスとルッキズムについて解説します。
-
2023/04/11無理してチャレンジしなきゃ、なんてない。【後編】-好きなことが原動力。EXILEメンバー 松本利夫の多彩な表現活動 -松本利夫
松本利夫さんはベーチェット病を公表し、EXILEパフォーマーとして活動しながら2015年に卒業したが、現在もEXILEのメンバーとして舞台や映画などで表現活動をしている。後編では、困難に立ち向かいながらもステージに立ち続けた思いや、卒業後の新しいチャレンジ、精力的に活動し続ける原動力について取材した。
-
2021/09/30苦手なことは隠さなきゃ、なんてない。郡司りか
「日本一の運動音痴」を自称する郡司りかさんは、その独特の動きとキャラクターで、『月曜から夜ふかし』などのテレビ番組やYouTubeで人気を集める。しかし小学生時代には、ダンスが苦手だったことが原因で、いじめを受けた経験を持つ。高校生になると、生徒会長になって自分が一番楽しめる体育祭を企画して実行したというが、果たしてどんな心境の変化があったのだろうか。テレビ出演をきっかけに人気者となった今、スポーツをどのように捉え、どんな価値観を伝えようとしているのだろうか。
-
2024/04/23自分には個性がない、なんてない。―どんな経験も自分の魅力に変える、バレエダンサー・飯島望未の個性の磨き方―飯島 望未
踊りの美しさ、繊細な表現力、そして“バレリーナらしさ”に縛られないパーソナリティが人気を集めるバレエダンサー・飯島望未さん。ファッションモデルやCHANELの公式アンバサダーを務め、関西テレビの番組「セブンルール」への出演をも果たした。彼女が自分自身の個性とどのように向き合ってきたのか、これまでのバレエ人生を振り返りながら語ってもらった。
「しなきゃ、なんてない。」をコンセプトに、読んだらちょっと元気になる多様な人の自分らしく生きるヒントやとらわれがちな既成概念にひもづく社会課題ワードなどを発信しています。
その他のカテゴリ
-
LIFULLが社会課題解決のためにどのような仕組みを創り、取り組んでいるのか。LIFULL社員が語る「しなきゃ、なんてない。」
-
個人から世の中まで私たちを縛る既成概念について専門家監修の解説記事、調査結果、コラムやエッセイを掲載。