ミニマリストになるためには? 整理整頓や片付けを継続するコツを解説

ミニマリストに憧れて断捨離を始めたものの、なかなか続かず結局諦めてしまったという方は少なくありません。ミニマリストとしてのライフスタイルを自分の日常に定着させるためには、整理整頓や片付けができない理由を分析したり、継続するためのコツを身につけたりすることが大切です。

この記事では下記の4点を解説します。

  • 物に執着しない暮らしに憧れる人が増えている?
  • 片付けを継続できない人の5つの理由
  • 捨てる・片付けを継続するコツとは
  • ミニマルな生活で得られるメリット3つ

物に執着しない暮らしに憧れる人が増えている?

『日経WOMAN』が「手放してよかったモノ・コト」をテーマに2022年6月に20~70代までの524人を対象に行った調査によると、家にある不要なモノを手放したいと回答した人が68.1%で、断捨離してスッキリしたという声が多かったようです。

こうした調査結果から分かるように、不要な物を捨てたり、手放したりすることで、快適な暮らしを実現させたいという人たちが増えています。かつて社会全体で大量に物を生産し、それを個人が大量に所有したり、消費したりすることが幸せにつながると考えられていた時代もありましたが、多くの人たちが幸福は物を所有することからは生まれないと気付き始めています。

もともと日本人の文化や生活と深いつながりを持つ禅の世界では、徹底的に物を持たない生活を重視しています。禅の教えによると、物欲や執着心は人間の心を苦しめます。そのため、自分に足りていないものに目を向けるのではなく、「これで十分」と「足るを知る」ことこそが心に安らぎをもたらすと説いているのです。また、日本には古来より質素倹約の精神が根付いており、物を大事にすることや、無駄を戒める習慣があります。

現代のミニマリストたちは日本古来の価値観を今の社会にマッチするように実践している人たちと言えるかもしれません。例えば、ミニマリストしぶさんは、物を手放す暮らしと幸福の因果関係に注目しています。

※出典:読者調査 年代別・手放してよかった「モノ」「コト」 – 日本経済新聞

片付けを継続できない人の5つの理由

衣類をたたむ女性

ミニマリストに憧れ、シンプルで居心地の良い生き方を目指しているのに、「片付けが苦手で物が散らかってしまう」「途中で挫折してしまう」という人には、次のような理由が考えられます。

・もったいない精神がある
「もったいない」という気持ちは物を大事にする美徳でもあります。裏返せば、物を「もったいないから」と言って処分しないままでいると、物を収納するスペースの確保も大変ですし、物を探すエネルギーや時間を無駄にしてしまうことにもなりかねません。

・思い入れがあると保管する
「思い入れ」がある贈り物の中にも時間の経過とともに不要になる物もあります。収納スペースには限りがあるため、「思い入れがあるかどうか」だけでなく、「これから必要か」という視点で物を整理することも大切です。

・捨てることに罪悪感を抱く
小さい頃から物を大事にすることを教えられてきた場合、捨てることに罪悪感を抱く人も少なくありません。しかし、片付ける方法は「捨てる」だけではありません。使ってもらえる人に譲るなど、罪悪感のない方法も考えてみましょう。

・断捨離する時間が取れない
忙しい生活を送っていると、ついつい断捨離する時間が後回しになってしまいます。一気にまとまった時間を取るのは難しくても、仕事の合間のスキマ時間を活用して「いる物」「いらない物」を分けるなど、少しずつ断捨離を進めてみてはいかがでしょうか?

・分別や処分が苦手
分別や処分には手間や時間がかかるものです。しかし、このプロセスを経ずして断捨離は行えません。まずは捨てるかどうか迷っている物を手に取るところから始めてみましょう。どうしても難しいようなら、片付けのプロにお願いするのも一つの方法です。

すぐに処分するかどうか判断できない物は一時的にトランクルームに預けておくこともできます。トランクルームとは、月額制で収納スペースをレンタルできるサービスのことです。

捨てる・片付けを継続するコツとは

片付け中の女性

ミニマリストを目指すなら、捨てたり、片付けたりすることを継続するコツを身につける必要があります。もともと片付けが苦手でも、方法を学んで実践することでメリットを実感できるようになれば、習慣化できるはずです。カナダ在住のミニマリスト主婦ブロガー筆子さんがおすすめする片づけのコツをご紹介します。

1.自分がすべきことを忘れないように、リマインダーを用意
リマインダーの目的は何度も目にすることで、絶えず思い出すことです。リマインダーのツールはスマホで設定してもよいですし、「やることリスト」に書き込んだり、メモを冷蔵庫に貼り付けたり、自分が継続しやすいと思う方法を選びましょう。

2.月の終わりにどれぐらい「片付けプロジェクト」が進んだかを振り返る
プロジェクトの振り返りをすることで、片付けに意識を向けられるようになり、自然と生活習慣に落とし込めるようになります。日記などに記録しておくと毎月確認し、振り返ることができるため、モチベーション維持に役立ちます。

3.捨てる習慣に慣れることが大事
不用品を毎日捨てるという小さな成功体験の積み重ねで、無理なく捨てる習慣が身につきます。捨てることが苦手な人でも続けられるよう、1日15分だけ時間を確保して片付けに集中してみましょう。不用品があまりなく、捨てる物が少なければ1日5分間でもOKです。朝起きたらすぐに、寝る前に、お風呂に入る前に、など自分が続けやすい時間帯から気軽に始めてみましょう。

4.処分方法を変えてみる
話題のフリマアプリは処分方法として優れていますが、取引相手との連絡、荷造り、発送作業に時間がかかります。もし、その手間がハードルになっているなら、不用品をそっくりそのまま寄付するのも一つの方法です。

5.家族や親しい友人に協力してもらい、一緒に片付ける
家族や友人と励まし合いながら片付けると作業もはかどります。もし、すぐに手伝ってくれる人がそばにいないようなら、SNSで知り合った仲間と「いつまでに何を片付けるか」を約束するのも良い刺激になるでしょう。

6.片付けを始めた理由を再確認する
付けを継続することに行き詰まったら、初心を思い出しましょう。自分や生活を変化させたいと思ったから、片付けを始めたのではないでしょうか。「そもそも何のために片付けをしているのか」を思い返すことでモチベーションを高められるでしょう。

※参考:片付けを続けることができない人に贈る、継続する7つの秘訣。筆子ジャーナル

ミニマルな生活で得られるメリット3つ

笑顔で話す女性と男性

ミニマリストとして生きていくためには、そのメリットを常に実感していることが大切です。ここでは、ミニマルな生活で得られる3つのメリットについて説明します。

1.余計な選択肢を減らすことで時間的ゆとりが生まれる
例えば、物が多いと自分が本当に必要としている物を探すまでに時間がかかります。しかし、物が最小限度であれば、必要な物を必要な時に手に取ることができ、時間の節約につながり、ストレスを減らせます。

2.無駄遣いがなくなり、生活にゆとりが生まれる
物を買う時は自分が気に入った物、自分の価値観にフィットした物だけを選ぶようにします。そのため、衝動買いが減り、無駄遣いがなくなるため、経済的にもゆとりが生まれます。

3.掃除が楽になる
部屋の中の物、クローゼットの中の服の量が減るため、必然的に掃除が楽になります。

物を捨てる思考に切り替えることで、運気や健康面などさまざまなメリットが享受できるでしょう。生活の質を上げてくれるのがミニマリスト思考だと言えそうです。

まとめ

部屋を掃除する様子

ミニマリストと片付けや整理整頓は切っても切れない関係にあります。「ミニマリストになりたいけれど、片付けが苦手」という方は、まず自分がなぜ片付けが苦手かを振り返ってみて、片付けのコツを学ぶようにしましょう。片付けの方法もたくさんありますから、上に挙げた例をすべてやろうとするのではなく、一つずつ試してみることが成功の近道です。

執筆:河合 良成

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