親の未来と、自分の未来 〜今から考える家族の介護のこと〜
「そろそろ親の介護のことを考えなきゃいけないかも」
そう思いながらも、何から始めればいいのかわからない。
仕事や家庭との両立はできる?
全部自分で背負わなければいけない?
そんな不安や葛藤を抱えるあなたに伝えたいのは、
「ひとりで頑張らなくていい」ということ。
介護は"すべてを抱える覚悟"ではなく、
"共に支える準備"から始められます。
この記事では、親と自分、両方の人生を大切にするための選択肢や、
プロの手を借りながら進める介護のかたちを紹介します。
親の生活も自分の生活も、どちらも大切だからこそ

「遠距離介護って、ただ人に任せてるだけじゃないの?」って、自分の中に負い目みたいなものが少しはあったんです。でも以前、自著の中で川内潤さんと対談させていただいた時に、「親の介護は自分でやらない方がいいんです、だってケンカになるでしょ? プロの方が相手を尊敬して介護できるんです」っていう話をしていただいて、とても気が楽になりました。
※柴田様のお母さまは2025年1月に95歳で他界されました。
仕事を続けながら94歳の母を遠距離介護する柴田理恵さんに「親子それぞれが幸せに暮らす」ヒントを聞いた

(小菅)無理がたたって、自分自身の体調や体の状態が悪化してしまい、通常の生活ができなくなってしまったときはもう「限界」と考えていいと思います。(中略)まずは介護者が健康であることが最重要だと思います。そう考えると、やはり生活に支障をきたすような状況が、入居のタイミングかなと思っています。

夫婦部屋に入居すると、ホーム内には介護スタッフが常にいるにもかかわらず、ご夫婦のどちらかがお世話をする状態になってしまうことがあります。また、どちらかがご逝去された時に、他の部屋が空いていない場合、お一人でも夫婦部屋の費用を支払い住み続けることになります。夫婦部屋への入居を検討する際は、こうした点を頭に入れながら検討されることをおすすめします。

介護は、多くの場面で人手を必要としますので、一人の方が抱え込んでしまうと、どうしてもキツいし辛い思いをしてしまいます。しかし、いまは多くの介護のプロに「介護を任せる」選択肢があります。
介護事業者の方たちのほとんどの方が熱い思いとやりがいをもって仕事に取り組んでいます。ある経営者は『自宅で最期を迎えたいという人が多いのは人情としてわかります。しかし私たちの施設を選んでくれるのであれば、自宅ではなくここに入って良かったと言ってもらえるようなサービスを提供したい』と仰っていました。

“終活”の大切さを感じたきっかけは、一人暮らしをしていた義理の母が亡くなった時のこと。ものを大切にする方だったから、あらゆるものが取ってあったんです。母にとって大切なものは残しておきたいけれど、それがどれなのかわからない。チラシの束を捨てようと思ったら、裏にキャッシュカードの暗証番号や金庫の開け方などがメモされていた時は驚きました。情報を整理し、まとめて残しておくエンディングノートの大切さを実感したのはこの時です。(中略)
家族がいなくなった後で『もっと聞いておけばよかった』と後悔しないように、いろんなことを話して、書き残しておきたいと思ったんです。親の子ども時代の話なんて、聞いてみると面白いですよ。
みんなが読んでいる記事
-
2022/10/13エイジズムとは?【前編】年齢差別と偏見の問題、具体例を紹介内閣府によると、日本の総人口に占める65歳以上人口の割合(高齢化率)は2020年に28.8%に達しました。今後も高齢化率は上昇することが予測されており、2036年には33.3%、3人に1人が高齢者になると言われています。誰もが生き生きと活躍するためには、年齢による差別と偏見である「エイジズム」の克服が課題とされています。
-
2024/02/27ミニマリストになる第一歩「断捨離」を始めよう!【前編】 習慣化のコツ・50代からの終活にもおすすめミニマリストになるためには所有している物の多さに関わりなく、自分にとって必要な物を見極めることが重要です。そのために踏むべきステップは「断捨離」。その意味やミニマリストとの関係、習慣化するためのコツについて紹介します。
-
2024/03/07いつからアンコンシャスバイアスの考え方を持つ? 研究の歴史と日常的に生じる偏見や思い込み「アンコンシャスバイアス(無意識の思い込み)」は偏ったものの見方であり、実は昔から私たちの日常にあふれていて、誰にでもあるものです。最近よく目にするなと思った方もいることでしょう。では、いつ頃からメディアに取り上げられるようになったのでしょうか。この記事ではアンコンシャスバイアスの歴史や対処法を紹介します。
-
2024/12/27
失敗=ダメなこと、なんてない。クリエイティブ本部 マーケティング マネジャー 畠山 大樹LIFULLのブランディングの責任者として、TVCMやオウンドメディア、ホームレス・ワールドカップ2024日本代表への協賛などさまざまなプロジェクトに挑戦してきた畠山 大樹に話を聞きます。
-
2025/08/29お金なし、障がいあり、毒親付きでは大成できない、なんてない。―困難な環境をものともせず教育で人生を切り開き幸せを満喫する「フォーサイト」経営者山田浩司さんの逆転の半生―山田浩司お金なし、障がいあり、毒親付き。困難な環境に負けず、教育で人生を切り開いた「フォーサイト」経営者・山田浩司の半生に迫る。成功の秘訣は、自身の仕事を「天職」と捉え、自分の幸せ、そして誰かの幸せのために突き進むことだった。
「しなきゃ、なんてない。」をコンセプトに、読んだらちょっと元気になる多様な人の自分らしく生きるヒントやとらわれがちな既成概念にひもづく社会課題ワードなどを発信しています。
