自立した女性は何でも完璧じゃなきゃ、なんてない。【第3回】
SDGsは、今や政府や企業だけが取り組む課題ではなく、社会問題の解決手段として個人が注目する時代になってきた。2016年から地元・北海道夕張郡栗山町の地方創生に携わっているバービーさんは、その活動がさまざまなメディアに注目され、取材が殺到している。好きなことを仕事にした、自立した女性。そんなイメージを持つかもしれないが、当人は「自立した女性なんておこがましい」という姿勢だ。
![](https://media.lifull.com/wp-content/uploads/2021/03/intro_image_202103_barbie_3.jpg)
テレビやラジオへの出演、YouTube配信、下着のプロデュース、そして地方創生の取り組みと、多方面で活躍するお笑いコンビ「フォーリンラブ」のバービーさん。昨年は雑誌「FRaU」のWeb連載がきっかけで初のエッセイ集『本音の置き場所』を出版。「最も信頼の置ける言葉を持つ芸人」の一人として、その発信力と多動力が注目されている。誰もがふと思うなにげない日々の疑問を独自の視点で切り取り、言語化する彼女の感性はいつごろから形成されたのだろうか。さまざまなテーマをもとに彼女の本音を探っていく全5回のシリーズ。第3回は「女性の自立」について伺った。
自立するうえで足りない部分はお金でカバーしてもいいと思う
「私は、自立した女性って感じじゃないですよ。マネージャーさんにたくさん迷惑かけているし、私生活も荒れていて、一人じゃ生きていけないところがたくさんあるんで(笑)。
自立した女性って、“自分で考えて、行動できる人”なんじゃないでしょうか。自分の意思を言葉にしてちゃんと実行できるということかな。地方で仕事に行くと、自分の意見を言わない女性が多いなと感じます。個人的な感想ですが、パチンコ店のスタッフってギャル率が高いじゃないですか。地方にいるヤンキーやギャルって序列に厳しいし、かなりジェンダーバイアスかかっているように思います。グループのボスみたいな強面の男性に、絶対逆らえない空気みたいなのが漂っていて。集合写真を撮るときも、ボスが仕切っているんですよね。彼の指示に従って撮影しているギャルの姿を目の当たりにして、『本当はこんなふうにして撮りたいっていう自分の意見があるんじゃないかな~』って。空気を読むとかそういう能力は今の若者って長けていると思うんですけど、自分の意見を言えない人が多いように感じるので、なんだか少し心配になっちゃいましたね。
私が学生時代を過ごした田舎では、本音で会話ができる関係性の友達ばかり。上京してからは男性の多いコミュニティーに属することが多くて、さらに『はっきり物を言う』性質が定着していったように感じます」
自分で何でも完璧にやろうと思わなくてもいい
連載を担当して本を出すことも、YouTubeで美容やメイク動画を配信することも、下着のプロデュースを手がけることも全てノートに綴った自身の夢だった。そんな「自己実現力が高い、自立した女性」のように見えるバービーさんだが、自分のできない部分や弱みを把握し、お金でカバーすればいいと豪快な意見を持っていた。
「こまめに部屋の掃除ができないとか、時間を守れないとか日々生活するうえで『足りていない』部分は人並みにあるので、そういった意味では全然自立しているとは言えませんね。でも今は、いろんな方が背中を押してくれたり、チャンスを与えてくれたりしたおかげで自分のやりたい仕事ができているので、お金を稼ぐ部分は自立できています。家事にまで手が回らないときは家事代行サービスに依頼してもいいし、時間やお金の管理ができないならマネジメントしてくれる個人秘書を雇ってもいい。秀でた能力でお金を稼いで、足りない部分をカバーすればいいんじゃないかと思っています。
実際、忙しいときの家事や苦手な機器類のセッティングなど、外注できるものは頼んでしまうことがありますね。もし今後、私が出産をすることになったら、経済的に可能な限り家事や育児を外注したいという理想もある。そのためにまだまだ頑張らないといけないなぁと思います」
2月3日には、FRaU編集部主催のウェビナーに登壇者として参加。好きなことを仕事にして頑張っている女性代表として、お金との向き合い方について語った。
「好きなことを実現するためにも、お金ってやっぱり大事。私も学ぶ立場として参加させていただきました」
~自立した女性は何でも完璧じゃなきゃ、なんてない。【第4回】へ~
![バービー](https://media.lifull.com/wp-content/uploads/2021/03/profile_image_202103_barbie.jpg)
1984年、北海道生まれ。本名・笹森花菜。東洋大学文学部インド哲学科を卒業。2007年、ハジメとお笑いコンビ「フォーリンラブ」を結成。2019年末にYouTubeチャンネル「バービーちゃんねる」を開設。生理や女性下着、美容といったテーマの動画を配信し、主に同性から支持を得ている。
2020年末には、「FRaU」 webでの連載をまとめた初の著書『本音の置き場所』を上梓。また、ピーチ・ジョンとのピーチ・ジョンとのコラボ下着のプロデュースを担当し、
コラボレーションコレクション第2弾が2021年2月17日に全国発売された。芸人、下着プロデューサー、作家、ラジオパーソナリティーなど幅広いジャンルで活動中。
YouTube Official
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