エンジニアに向いているのは男性だけ、なんてない。
ソーシャルエンタープライズとして事業を通して社会課題解決に取り組む株式会社LIFULLには、業界の常識を変えたい、世の中に新しい仕組みをつくりたい、という高い志をもつ同志たちが集まっています。
LIFULLの描く未来の実現や個人が解決したい社会課題への取り組みなど、多様なLIFULLメンバーのこれまでの「挑戦」と「これから実現したい未来」を聞く、シリーズ「LIFULL革進のリーダー」。今回はLIFULL HOME'S事業本部で売買領域のプロダクト開発を担うエンジニアの高詰ありさに話を聞きます。
連載 LIFULL革進のリーダー
- 第1回LIFULL HOME'S事業本部 営業 マネジャー 坪井 洋介
- 第2回LIFULL HOME'S事業本部 プロダクトエンジニアリング部長 河津 隆洋
- 第3回LIFULL HOME'S事業本部 事業統括部長 鈴木 章浩
- 第4回LIFULL HOME'S事業本部 マーケティング マネジャー 遠藤 夏海
- 第5回クリエイティブ本部 デザインマネジャー/アートディレクター田中 忍
- 第6回LIFULL HOME'S事業本部 営業 マネジャー 加藤 直
- 第7回テクノロジー本部 シニアプリンシパルエンジニア 相原 魁
- 第8回LIFULL HOME'S事業本部 営業 佐藤 優里奈
- 第9回LIFULL HOME'S事業本部 サービス企画 マネジャー 笹本 昂
- 第10回クリエイティブ本部 デザイナー 上垣 陽和
- 第11回LIFULL HOME'S事業本部 エンジニア 高詰 ありさ
入社して半年後に新規プロジェクトに参画し、その実装のスピードやプロダクトの完成度の高さが評価されて新卒MVPを受賞しました。エンジニアとして活躍する高詰は、女性エンジニアが増え、活躍の場が広がるよう、自らロールモデルになりたいと言います。ジェンダーギャップという大きな社会課題を解決するために、いつも意識していること、そして実際に行動していることはどんなことなのか話を聞きます。
社員一人一人が社会課題を意識し、利他主義の精神を持っている。自分がチャレンジする時には、必ず誰かが助けてくれるので絶対に一人になりません。自分のしてもらったことは、これから後輩たちにしてあげたい。そして後輩たちをリードする存在になりたいですね。
寝ている間も夢に出るほどハードな日々
――LIFULLへの入社を決めた理由を教えてください。
一人暮らしをするため物件を探していた時、LIFULL HOME'Sを利用したことがあって、就職先として検討してみたいと思い、LIFULLの会社説明会に参加しました。その説明会で社会課題の話が出たことがとても印象に残り、「この会社で働いてみたい」と思い、志望しました。
私自身、小学校から大学までブラジルで過ごしましたが、人種差別や女性に対するジェンダーギャップといった社会課題に関しては日本よりブラジルのほうが、かなり根深く感じられます。ですから、年齢・国籍・性別等の属性の違いに関わらず多様性を受け入れる地域社会の実現を目指し、よりよい社会の仕組みを創っていくというLIFULLの姿勢に共感しました。
入社後の社内の印象ですが、社員一人一人が社会課題を意識して働いていることを感じます。また、その一員となることで、自分の持っている問題意識に対する解決にも、アプローチできる気がしています。
――入社してから、どんな業務に就いたのでしょうか?
昨年の4月に入社してすぐは、エンジニアとしてLIFULL HOME'Sの売買領域サイトのSEO対策に携わり、その半年後の10月からは、売買領域のサイト基盤を刷新する新規プロジェクトに参画しました。今年の9月まで約1年間にわたりそのプロジェクトに従事し、現在は既存サイトのユーザー体験を最適化する業務に就いています。
――初めての大きなプロジェクト、どんなチャレンジになりましたか?
このプロジェクトにおけるサイト実装のバックエンドエンジニアは、私ともう一人だけでした。私はひたすらコードを書き、もう一人にレビューしてもらう作業を繰り返していました。開発方針としてはTypeScriptを開発言語として採用し、設計にはクリーンアーキテクチャのアプローチを取り入れたプロダクトでした。実は、TypeScriptについては新卒研修で少し学んだ程度で、クリーンアーキテクチャに関しては私にとって全く新しいものだったため、ほぼすべて一から勉強しながら対応しました。新卒入社から半年しか経っていない私に任せていただけたことは嬉しい経験でしたが、期日がある中でユーザーにより早くより良いサービスを提供するというプレッシャーもありました。寝ている間も夢に出るほどハードな毎日でしたが、このプロジェクトは私にとって非常にチャレンジングな経験になりました。
――そこで、どんなやりがいを感じましたか。
私はものづくりが好きなので、チームメンバーと一緒に使いやすいプロダクトを考え、開発していくプロセスを楽しんでいます。それが自分の意図したとおりに動き、多くのユーザーに利用していただけることが、非常に嬉しいです。
実装した機能が思ったように動かない場合や、ユーザビリティを向上させるために改修したにもかかわらず、ユーザーのニーズに当てはまっていないことが数字に表れた時はとても悲しく感じました。しかし、その原因を探るために、なぜそうなるのか考察を重ね、さまざまな人を巻き込みながら細かな調節をした結果、数字が改善されたときは再び嬉しさを感じます。トライ&エラーを積み重ねることで少しずつ正解に近づいていくことにやりがいを感じます。
物件の条件変更をするボタンや、物件の詳細ページに移動するボタンにしろ、直感的に操作できることが重要であり、そうでないとユーザーは途中で諦めてしまいます。何気なく使えることが当たり前とされているため、開発側としてはユーザー視点を大事にして取り組む必要があります。
アクセシビリティを意識することからスタート
――LIFULLに入ってどんな社会課題に取り組みましたか?
入社して初めて、アクセシビリティ(情報へのアクセスのしやすさ。高齢者や障がい者でもコンテンツやサービスを利用できるかどうかの度合いを示す言葉)の重要性を意識するようになりました。
例えば、視覚障がい者の方が見やすい色を選んだり、読み上げツールを使用するユーザーが画像を認識できるような仕組みを追加することです。サイト制作に携わるまではこれらを意識をしたことがなく、高齢者や障がい者の方が抱える問題を理解していませんでした。先輩から一つ一つ教えてもらいながら、Webサイトの使いやすさを意識して開発に取り組んできました。
社会課題に対してアンテナを張っている社員が多いのも、LIFULLの特徴です。社員の社会貢献活動を支援するOne P’s(ワンピース)制度があるので、ボランティアをしている人もすごく多いです。私自身、これから日本に住んでいる海外の子どもたちを集めて、一緒に文化的なアクションをするというボランティアに参加する予定です。
社会課題を根本的に解決するのは難しいですが、自分のできるところから少しずつトライしていけば、改善に向かうのではないかと思っています。そのためには、「社会課題がそこにあると気付くこと」が重要です。まずは、そこから目をそらさず、しっかり見つめることから始まると思います。
私が意識しているのは、まわりの人に対しての固定観念を取り払うことです。もし、他人から固定観念に基づく偏見の目を向けられたら、「それは違うよ」と自分の想いや考えをしっかりと相手に伝えます。そういう意味では、LIFULLの社員は固定観念がない人が多いと感じており、風通しが非常に良い環境だと思います。
――高詰さんがLIFULLで解決したい社会課題は何ですか?
男女間の教育や賃金格差といったジェンダーギャップは、日本でも根深い問題です。社会課題に向き合い、自分ができることは何だろうと考えた時、自分がロールモデルとなって、女性の選択肢を広げるきっかけになれたらいいなと思いました。
世界中どこでも働けて、自由な生き方ができるエンジニアとして活躍し、「女性でもこういう働き方ができるんだ」というお手本になりたいと考えています。
バックエンドなら私にまかせて
――高詰さんの「しなきゃ、なんてない。」を教えてください。
「エンジニアに向いているのは男性だけ、なんてない。」です。女性にエンジニアが少ないというと、「気のせいじゃないか」や「女性がそれを選んでいないだけだろう」とよく言われます。
私は多くの女性が職業としてエンジニアという選択肢がないと思い込んでいるから、選ばないのだと思っています。理系というと、「私の得意分野じゃない」と感じる女性が多いことも背景にあるかもしれません。でも女性にもエンジニアという選択肢はありますし、ものづくりの好きな女性にはとても向いている仕事だと思います。
先日、会社の近くの女子中学校の生徒さんに『LIFULLで働く女性』というテーマでインタビューを受ける機会がありました。「女性がエンジニアとして働くのはどうですか」「エンジニアに向いている人はどういう人ですか」「一日のスケジュールは?」といった質問に答えましたが、それらが学内で発表されたそうです。こうした形で会社を通して、ジェンダーギャップの解消に少しずつ貢献できることは、すごく嬉しいですね。
ちなみに、私の周りの女性エンジニアは、とにかく好奇心が旺盛で、目標に対してまっすぐ進める、アイデアを出したらすぐに乗ってくれるタイプが多いように感じます。
――これからLIFULLで、成し遂げたい夢や目標はどんなことですか。
自分が携わるサービスを利用していただいているユーザーには、世界中の誰もが直感的にストレスなく使え、将来自分が住む物件をワクワクしながら見つけられるようなサイトを届けることを目指しています。開発者目線では、サイトのアップデートを行いやすくし、迅速にユーザーに価値を提供できる環境を構築したいと考えています。
また、私は学生時代にはなじみのなかったWebサイトの開発をLIFULLに入り、多くの挑戦機会と多くの方々のサポートを受けながら学び、スキルを磨き、高めてきました。今後は、私自身も後輩たちの成長を支援してあげられるような頼れる先輩になれたらいいなと考えています。
リオデジャネイロ連邦大学工学部電子情報科を経て、千葉大学融合理工学府数学情報科学専攻情報科学コースを卒業。2023年に株式会社LIFULLに新卒で入社。LIFULL HOME'S」の主に売買領域のサイト開発を担当。入社後半年後から、LIFULL HOME'Sの売買領域サイトの基盤刷新プロジェクトメンバーに参画。1年の実装実績が評価され、新卒MVPを受賞。
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