住まい探しサポート&就労支援 合同相談会(LIFULL×パーソル)を開催

2024年12月5日、東京都千代田区のLIFULL本社にてLIFULLとパーソルグループとの共同で「住まい探しサポート&就労支援 合同相談会」が開催された。このイベントは、親や身近な大人を頼れない若者たちの住まい探しや就労支援をサポートすることを目的としている。特定非営利活動法人サンカクシャと一般社団法人若草プロジェクトを通じて希望者を募り、ホームレス・ワールドカップ2024の日本代表選手を含む、若者6名が参加した。

LIFULLは2024年9月に韓国ソウルで開かれたホームレス・ワールドカップ(以後HWC)に出場する日本代表のオフィシャルスポンサーとなった。ワールドカップ終了後も、選手たちの自立を支援するための住まい探しサポートを進めている。居住の不安定な若者は、住まいだけでなく、頼れる大人がいないことや収入の不安定さといった複数の問題を抱える。そこで、LIFULLとパーソルグループがそれぞれの専門性を活かしタッグを組むことで、より包括的な支援を目指した。

若者支援では住まいと就労はセット

説明会はHWCプロジェクト担当の吉岡からの主旨説明で始まった。

吉岡:今年の夏にLIFULLはHWC日本代表の協賛を行いました。彼らの現状を知るにつれ、若者が自立した生活を送る上で、住まい探しと就労支援を両輪で支援していく必要があると考え、就労支援のエキスパートであるパーソルグループの伊藤様と実施に向けて準備を進めてきました。些細なことでも、気になっていることを質問していってください。会終了後も、継続的なご支援の必要性の確認をしながら、今後の活動につなげていきたいと考えています。

続いてパーソルグループ ミッション共創推進部マネジャーの伊藤様、住まい支援のLIFULL HOME'S FRIENDLY DOORの責任者の龔 軼群(キョウ イグン)が自社の紹介と、取り組みへの思いを語った。

伊藤様:パーソルグループでは「はたらくがワクワクする未来」を将来世代との対話のテーマとし「FR(Future Generations Relations)」活動を2023年から開始しています。これまでも「未来のはたらく大人たち」に向け、将来、自分自身で「はたらく」を選択できる大人になってほしいと考え、キャリア教育やプログラミング教育、仕事の体験機会の提供などを行ってきました。今回も、若い世代を支援する良い機会と考え、社内の有志を募って6名のメンバーが集まりました。

龔 :LIFULL HOME'S FRIENDLY DOORでは以前から住宅弱者に寄り添う不動産会社さんと連携して住宅弱者の住まい探し支援を行っています。特に若者の居住支援に取り組まれている支援団体や当事者の若者たちとお話をすると、住まい探しにおいて家族に頼れないから保証人がいない、そして複雑な家庭環境の中でさまざまな傷つきを経験したことで対人関係の構築やコミュニケーションハードルによりうまく就労ができない、収入が安定しないから入居を断られるという若者が多い印象です。そのため、若者支援では住まいと就労はセットであると考えています。今日はLIFULL HOME'Sの3名がアドバイザーとして参加します。

住まい探しサポート&就労支援 合同相談会がスタート

イベントでは、「住まい探し相談」と「就職相談」の2つのセッションが30分ずつ行われた。参加者たちは、LIFULL HOME'Sとパーソルグループの担当者に導かれながら、質問をし、相談を進めた。

住まい探し相談パートでは、参加者の若者たちの多くは、住まい探しにおいて何を相談すればいいのか分からないように見受けられた。相談員は、基本的な住まい探しのポイントを伝えながら、会話を進行。例えば、希望条件や初期費用の額、エリアの選び方や引越しにお得な時期についてのアドバイスが行われた。事情がある場合などは、物件探しよりも先に、寄り添ってくれる不動産会社さんを探すことが大切だというアドバイスに、驚いた様子が見受けられた。

一方の就職相談では、キャリアの描き方や自分に向いている仕事について悩む若者たちが、担当者と対話を行い、各自の不安を解消するための方策が話し合われた。参加者は担当者の経験談を基に、自分の考えを整理できたと感じたようだ。

社会には“頼っていい大人“がもっといることを知ってもらいたい

本イベントを通じて支援団体の職員からは次のような感想をいただいた。

職員A当事者に対して応援があることが何よりも心強くうれしかったです。

職員B:知らない情報やサービスの存在を知った。経験談の共有からは就職における紆余曲折や住まい探しエピソードが伺えて貴重な経験となりました。

パーソルグループとLIFULLの参加者も会終了後にそれぞれの思いを口にした。

就労支援担当者C:仕事を探す以前に、自分が何をしたいのか、何が向いているのか、整理をする機会を持てずにいる方は多いです。特に相談者が特殊という印象はなく、自社のメンバーとも同じような会話になります。お話した内容に納得してくれている感じはあったので、前向きに進んでいってもらえればと願っています。

就労支援担当者D:社会人生活が長いと問題解決思考に陥りがちになっていることに気付かされました。聴き切ることよりも解決策の提示をしてしまった部分もあって。なんでもすぐに解決を目指すのではなく、気長に寄り添う姿勢を大切にするという視点を持つ良い機会になりました。

住まい探し担当者E:条件に合う物件探しも大事だが、親身になってくれる不動産会社を見つけることが、不安を抱える住まい探しでは最も重要な点。ぜひFRIENDLY DOORで見つけてください。不安な点があればサポートデスクのLINE相談や人には話しにくい相談だったらAIホームズくんも活用してもらいたいです。

住まい探し担当者F:住まい探しの経験がないと質問をすること自体が難しいということを改めて感じました。そして、そういう方にこそサポートが必要だなとも思います。ますますFRIENDLY DOORの活動意義を感じました。

最後に、龔に今後の思いを聞いて本レポートのまとめとする。

若者たちが自分のキャリアや暮らしについて、社会で活躍しているビジネスパーソンと話したり、相談できたりする機会はめったになく、今回はじめて企業に訪問した若者もおり、貴重な機会になったという支援団体の声をいただきました。支援団体にかぎらず、社会には“頼っていい大人“がもっといることを知ってもらえたら嬉しく、今後も支援団体と連携して、このような機会をつくっていきたいです。

 

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LIFULL STORIES編集部

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