自立した女性は何でも完璧じゃなきゃ、なんてない。【第1回】
昨年発売したピーチ・ジョンとのコラボ下着「クイーンブラ」は即完売。生まれ故郷の北海道夕張郡栗山町の町おこしに取り組むなど、芸人の枠にとらわれないエンパワーメントな活躍を見せるバービーさん。「小さい頃は、変な子だった」と振り返る彼女の隠しきれない個性は、やがて芸人を目指す道へといざなう。自分の弱さやコンプレックスを受け入れる「バービーらしさ」に、多くの女性が共感する。

テレビやラジオへの出演、YouTube配信、下着のプロデュース、そして地方創生の取り組みと、多方面で活躍するお笑いコンビ「フォーリンラブ」のバービーさん。昨年は雑誌「FRaU」のWeb連載がきっかけで初のエッセイ集『本音の置き場所』を出版。「最も信頼の置ける言葉を持つ芸人」の一人として、その発信力と多動力が注目されている。誰もがふと思うなにげない日々の疑問を独自の視点で切り取り、言語化する彼女の感性はいつごろから形成されたのだろうか。さまざまなテーマをもとに彼女の本音を探っていく全5回のシリーズ。第1回は「彼女の生い立ち」について聞いてみた。
小さい頃から好きなことに一筋で、天然だった。
「私の性格は、小さい頃から変わっていないと思います。小学校高学年のときはスカートには目もくれず動きやすいパンツやジーンズをはいていたし、髪はショートカット。自分を男の子だと思っていた節があって、当時の写真を見ると明らかにまわりから浮いていました。人形遊びもしますが、父親の大工道具を使ってDIYをしたり、サッカーに興味を持って男の子しかいない地元のサッカーチームに入団したり。先天的な性格と、特に家族の影響や外部からの刷り込みもなかったおかげで、個性的な子どもになったのかもしれません」
女の子らしい格好には興味がなく、男の子と同じ格好で過ごす。男の子と混ざってサッカーをしていたが、性的指向は至ってストレート。そんなバービーさんを、家族はどう見ていたのか。
「まったく干渉がなかったですね。サッカーチームに入りたいって言ったときも、反対されませんでした。父は郵便局員で“一家の大黒柱!”という雰囲気が割と強い家庭でしたが、私のやりたいことを否定せず自由に選択させてくれましたね。私は4人兄妹の末っ子。親は一番上の兄には厳しく、家を継いでもらうため進学より就職を優先させていましたが、下の女3人は全員、4年制の大学に進学させてもらえました」
プロデュースした友達がグランプリに選ばれたときは、自分が誇らしかった
思春期を迎える中学・高校生活でも、バービースタイルは依然変わらず。悪目立ちしないよう「まわりに合わせないといけない」という空気を読むこともせず、ナチュラルスタイルを貫いていた。
「まわりに合わせようという気がまったくなかったんですよね。“個性的で尖っている自分がかっこいい”とかそういうナルシシズムじゃなくて、生まれつきの天然だったというだけで(笑)。好きなことに一筋で自分が興味を持つこと、やりたいことを迷いなく選択してきたし、余計な概念が頭になかったんです。
私の生まれ故郷はすごく田舎で、幼稚園から高校まで友達みんな進学先が同じで、顔見知り。大きい親戚のコミュニティーみたいな距離の近さでした。どこに行っても“バービーちゃんらしいね”みたいに私の個性を受け入れてもらえたから、自分らしさを貫けたのかも。変に計算して動いたり、駆け引きしたりせず、自然体でいられたから、多くはないですが友達にも慕われていた感はあります。友達のカバンをデザインして縫ってあげたり、髪を切ってあげたりもしました。学校のミスコンテストで、私がスタイリストになって応援した女友達がグランプリに選ばれたときは、自分のことのように嬉しかったし、ちょっと誇らしかったですね」
相手の共感を得る親しみやすさ、距離の近さ、そして現在の下着プロデューサーの礎とも言えるミスコンでの活躍。10代の頃から、バービーさんが持つ“人間力”は発揮されていたよう。
~自立した女性は何でも完璧じゃなきゃ、なんてない。【第2回】へ~

1984年、北海道生まれ。本名・笹森花菜。東洋大学文学部インド哲学科を卒業。2007年、ハジメとお笑いコンビ「フォーリンラブ」を結成。2019年末にYouTubeチャンネル「バービーちゃんねる」を開設。生理や女性下着、美容といったテーマの動画を配信し、主に同性から支持を得ている。
2020年末には、「FRaU」 webでの連載をまとめた初の著書『本音の置き場所』を上梓。また、ピーチ・ジョンとのピーチ・ジョンとのコラボ下着のプロデュースを担当し、
コラボレーションコレクション第2弾が2021年2月17日に全国発売された。芸人、下着プロデューサー、作家、ラジオパーソナリティーなど幅広いジャンルで活動中。
YouTube Official
https://www.youtube.com/c/barbie0126/featured
みんなが読んでいる記事
-
2024/05/24“できない”、なんてない。―LIFULLのリーダーたち―LIFULL HOME'S事業本部FRIENDLY DOOR責任者 龔 軼群FRIENDLY DOOR責任者 龔 軼群(キョウ イグン)
2024年4月1日、ソーシャルエンタープライズとして事業を通して社会課題解決に取り組む株式会社LIFULLは、チーム経営の強化を目的に、新たなCxOおよび事業CEO・責任者就任を発表しました。性別や国籍を問わない多様な顔ぶれで、代表取締役社長の伊東祐司が掲げた「チーム経営」を力強く推進していきます。 シリーズ「LIFULLのリーダーたち」、今回はFRIENDLY DOOR責任者の龔軼群(キョウ イグン)に話を聞きます。
-
2024/05/17女性の生き方に「しなきゃ」、なんてない。 ―LIFULLのリーダーたち―LIFULL FaM事業 CEO 秋庭 麻衣LIFULL FaM事業 CEO 秋庭 麻衣
2024年4月1日、ソーシャルエンタープライズとして事業を通して社会課題解決に取り組む株式会社LIFULLは、チーム経営の強化を目的に、新たなCxOおよび事業CEO・責任者就任を発表しました。性別や国籍を問わない多様な顔ぶれで、代表取締役社長の伊東祐司が掲げた「チーム経営」を力強く推進していきます。シリーズ「LIFULLのリーダーたち」、今回はLIFULL FaM事業CEO秋庭麻衣に話を聞きます。
-
2024/09/30違っていてはいけない、なんてない。LIFULL HOME'S事業本部 マーケティング マネジャー 遠藤 夏海
ソーシャルエンタープライズとして事業を通して社会課題解決に取り組む株式会社LIFULLには、業界の常識を変えたい、世の中に新しい仕組みをつくりたい、という高い志をもつ同志たちが集まっています。LIFULLの描く未来の実現や個人が解決したい社会課題への取り組みなど、多様なLIFULLメンバーのこれまでの「挑戦」と「これから実現したい未来」を聞く、シリーズ「LIFULL革進のリーダー」。今回はLIFULL HOME'S事業本部 マーケティング マネジャーの遠藤 夏海に話を聞きます。
-
2025/03/06仕事の悩みへの対処法:人生の先輩からのヒント
転職やキャリアチェンジ、キャリアブレイクなど、働き方に関する悩みやそれに対して自分なりの道をみつけた人々の名言まとめ記事です。
-
2025/03/06結婚と家族のこと 〜自由な選択への気づき〜
結婚、非婚、家事・育児の分担など、結婚や家族に関する既成概念にとらわれず、多様な選択をする人々の名言まとめ記事です。
「しなきゃ、なんてない。」をコンセプトに、読んだらちょっと元気になる多様な人の自分らしく生きるヒントやとらわれがちな既成概念にひもづく社会課題ワードなどを発信しています。
その他のカテゴリ
-
LIFULLが社会課題解決のためにどのような仕組みを創り、取り組んでいるのか。LIFULL社員が語る「しなきゃ、なんてない。」
-
個人から世の中まで私たちを縛る既成概念について専門家監修の解説記事、調査結果、コラムやエッセイを掲載。