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#LGBTQ

近年、「LGBT」「LGBTQ」という言葉を頻繁に耳にするようになりました。LGBTQと呼ばれるセクシュアルマイノリティへの理解は進みつつありますが、いまだ差別や偏見に悩まされたり、同性婚が認められないなどの不合理な扱いに苦しんだりする人が少なくないのも事実です。

ここでは、「LGBTQについて知りたい」「LGBTQに関連する活動に興味がある」という人に向けて、基礎的な知識や国内外でのLGBTQを取り巻く現状、各企業・団体が行うアクション、LIFULLが取り組むLGBTQ関連の事業についてご紹介します。

「LGBTQ」とは

「LGBTQ」とは、さまざまなセクシュアルマイノリティの総称です。「レズビアン(L)」「ゲイ(G)」「バイセクシュアル(B)」「トランスジェンダー(T)」「クィアまたはクエスチョニング(Q)」という5つの単語の頭文字を取って命名されました。

LGBTQを理解するには、まず「性自認」と「性的指向」という2つの概念について知る必要があります。

「性自認」とは、自分がどの性別であるかの認識のことです。性自認が生物学的な性別と一致する人も、しない人もいます。「性的指向」とは、どういった性別の人が恋愛対象や性的対象になるかの指向のことで、異性に向く異性愛、同性に向く同性愛、男女両方に向く両性愛などさまざまな形があります。

LGBTQは、この性自認と性的指向の組み合わせによってカテゴライズされています。

レズビアンは体も性自認も女性で、性的指向が女性の人。ゲイは体も性自認も男性で、性的指向が男性の人。バイセクシュアルは身体的な性や性自認などにかかわらず、性的指向が男性と女性の両方に向いている人を指します。

一方、トランスジェンダーは性的指向ではなく性自認を表す言葉で、心の性と体の性が一致していない人の総称です。トランスジェンダーという概念は、「トランスセクシュアル」や「トランスヴェスタイト」などさまざまな細かい分類を含んでいます。

「クィア(Q)」はLGBTとほぼ同義で、セクシュアルマイノリティの総称です。もとは「風変わりな」「奇妙な」という意味の言葉であり、セクシュアルマイノリティへの蔑称でしたが、それを逆手に取って当事者が自分たちを指す言葉として使うようになりました。

なお、LGBTQの「Q」は、自分のセクシュアリティがどのようなものか悩んでいる、もしくは意図的に決めていない「クエスチョニング」を指すこともあります。

電通ダイバーシティ・ラボの発表によると、日本のLGBTQ人口は約10%。およそ10人に1人がセクシュアルマイノリティの立場にあります。また、電通が行った調査ではLGBTQの認知度は約7割と、幅広い層にLGBTQという概念が認知されつつあることも窺えます。

その一方、いまだに「カミングアウトできない」「偏見や差別が怖い」など、自らがLGBTQであることに関連した悩みを抱える人も少なくありません。

職場におけるLGBTQに関するハラスメントの実態

日本労働組合総連合会が2016年に全国の20~59歳の有職男女1,000人を対象に行った「LGBTに関する職場の意識調査」によると、「LGBT等(性的マイノリティ)当事者」は8%。「LGBT」の認知率 は47%となっています。

一方で、「職場の人からLGBTをカミングアウトされた・カミングアウトしていると聞いたことがある」という人はわずか7%。LGBTQ当事者にとって、職場におけるカミングアウトのハードルがいまだ高いことがわかりますが、その背景にはどのような事情があるのでしょうか。

同調査で「職場におけるLGBTに関する差別をなくすべき」と回答した人は全体の81%。しかし、その一方で「上司・同僚・部下がいわゆるレズビアンやゲイ、バイセクシュアルであった場合、どのように感じるか」という質問に対しては、「嫌だ」「どちらかといえば嫌だ」の合計が35%、「上司・同僚・部下等がいわゆるトランスジェンダーだったとしたら?」には、「嫌だ」「どちらかといえば嫌だ」の合計が26.3%という結果が出ています。

さらに詳しく見ると、抵抗を感じる人の割合は、身近に LGBTQがいない人では身近にいる人の約 2 倍となっています。多くの人が「差別をなくすべき」という気持ちを持ちながらも、LGBTQに対して理解が及んでいないことで抵抗感を抱いてしまっている現状が浮き彫りになっています。

なお、「LGBT」に関するハラスメントを、「防止・禁止すべき」と考える人は全体の53.7%。ハラスメントが起こる原因については、59.5%が「差別や偏見」、43.3%が「性別規範意識(「男」はこうあるべき、「女」はこうあるべき等)」を挙げています。

LGBTQをめぐる国内の取り組みは?

日本国内ではLGBTQの権利保護のために、どのような取り組みが行われているのでしょうか。

現在、日本国内では同性同士による婚姻は認められていません。日本国憲法によって「婚姻は両性の合意のみに基づいて成立」すると定められていることから、政府は「同性婚は想定されていない」という立場を取っています。

そのために多くのLGBTQ当事者が、パートナーが手術を受ける際に同意者になれず面会もできない、パートナーを税制上や健康保険の扶養家族にすることができない、法定相続人になれないなど、さまざまな困難に直面しているのです。

2019年には、同性婚を認めない民法や戸籍法の規定は違憲だとして、同性カップル13組が国に賠償請求をしました。不平等な扱いに困惑や怒り、悲しみを抱くLGBTQの人は決して少なくありません。

一方で、自治体の単位では同性カップルに対する取り組みが始まっています。
2015年に渋谷区と世田谷区が、同性カップルのパートナーシップを認める「同性パートナーシップ証明制度」を同時に施行。同性カップルに対して「二人のパートナーシップが婚姻と同等である」と承認し、自治体独自の証明書を発行することを規定しました。

近年は、渋谷区や世田谷区にならい、全国で50以上の自治体が同性パートナーシップ証明制度を導入しています。今後導入予定の自治体も多く、同性パートナーシップ証明制度はますます広がっていくことが予想されます。

ただし、同性パートナーシップ証明制度ではあくまで「証明書を発行してもらえる」制度にすぎず、欧米のドメスティック・パートナー制度のように婚姻関係にある夫婦に与えられる権利の一部が同性カップルに与えられるということはほとんどありません。パートナーシップが証明書によって証明されてはいるものの、法的な効力に乏しいのが現状です。ジェンダー平等の観点からも、今後は国による法の制定が期待されています。

法制度を求める企業や団体のアクション事例

2020年現在でも、日本では自治体単位でLGBTQに関わる施策に取り組んでいるにすぎず、法制度の制定や国レベルの施策を実行できていません。その背景には、LGBTQにかかわる施策や法制度を一元管理する部署や組織がないという課題があります。

しかし、複数の企業・団体がLGBTQに関わる法の制定を政府に要望しています。2020年には、人権とLGBTQ等に関わる国内外96団体が、2021年の夏季オリンピック開催に先立ちLGBT差別禁止法を制定するよう、公開書簡を通じて日本政府に強く要請しました。

内閣総理大臣殿
第 32 回オリンピック競技大会(2020/東京)、東京 2020 パラリンピック競技大会の開催に先立ち、日本政府が差別の禁止と平等の原則を積極的に受け入れ、レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー、インターセックス(LGBTI)の人たちを差別から保護する法律を速やかに制定することを求めます。

(中略)

2019 年 4 月に全面施行された「東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例」を筆頭に、日本では LGBTI の人びとの権利を尊重し保護する前向きな動きが広がっています。しかし、日本には性的指向や性自認による差別をなくすための国の法律はなく、LGBTI の人びとの権利の保護は不十分です。

オリンピック精神に基づき、スポーツマンシップや「多様性と調和」を称える祭典の開催国として、日本には全世界の注目が集まっています。今、日本はオリンピック精神に則り大会の開催を迎えるということを、はっきりと行動で示すことが求められています。

公正と平等のために前進し、性的指向や性自認に基づく差別、そしてインターセックスであることに基づく差別から、すべての人を保護する包括的な差別禁止法を制定することを、日本政府に要請します。

※参照元:国際人権NGOアムネスティ・インターナショナル

また、同性婚の法制化を実現するための取り組みも行われています。同性婚が認められる社会を目指すNPO法人 EMA日本は、多数の議員に向けて繰り返し同性婚実現を要望しています。

このほか、9団体が2020年7月に「レインボー国勢調査プロジェクト」を共同で発足。国勢調査を前に、超党派議連「LGBTに関する課題を考える議員連盟」に、「国勢調査において、同性カップルの集計・発表を求める要望書」を提出しました。これまで把握されていなかった「同性カップルを核とする世帯」の数が国勢調査で明らかにされることが求められています。

LGBTQフレンドリーな企業の取り組み

LGBTQが働きやすい社会を実現することは、性差別を撤廃し平等な機会を与えるSDGs(持続可能な開発目標)の目標5「ジェンダー平等を実現しよう」達成にも大きく関わっています。LGBTQの抱える課題に目を向ける姿勢は、企業としてもはや必須と言えるでしょう。

近年は、LGBTQに対する取り組みや活動を行う「LGBTQフレンドリー」な企業や団体が増えつつあります。日本企業はどのような施策や取り組みを行っているのでしょうか。事例を見てみましょう。

LGBTQフレンドリーな企業①株式会社ガイアックス

2015年に「LGBT支援宣言」を発表して以降、LGBTQに対する理解浸透を目的とした企業向け研修」を自社社員向けに実施。その他、採用時に記入するエントリーシートの性別記載の変更、LGBT委員会の発足など社内規定を変更し、LGBTQフレンドリーな企業を目指しています。

2016年には、異性間の婚姻時に提供している結婚祝い金や休暇などの福利厚生の権利を同性間のパートナーにも平等に提供するよう、人事制度を改定しました。

※参照元:ガイアックス、「LGBT支援宣言」!採用は性別不問エントリーシートに 
ガイアックス、日本初!LGBTへの取り組み評価「work with Pride PRIDE指標 2016」にて、 最高評価の「ゴールド」を受賞

LGBTQフレンドリーな企業②ユニリーバ・ジャパン株式会社

LGBTQ支援プログラム「ユニリーバ・プライド・ジャパン」を2016年よりスタート。ワークフォース(人材)、ワークプレイス(職場)、マーケットプレイス(パートナーとの協働)、コミュニティ(社会活動)の4つの枠組みのもと、LGBTQの人々がより自分らしく働き、生きられる社会の実現に取り組んでいます。

※参照元:LGBTへの取り組み(ユニリーバ・ジャパン)

LIFULLのLGBTQに対する取り組みとは

株式会社LIFULLでも、LGBTQフレンドリーな取り組みを実施しています。ここでは、LIFULLの事業を紹介します。

FRIENDLY DOOR

LIFULL HOME’Sが実施する、国籍、年齢、性別などさまざまなバックグラウンドを持つ人と、相談に応じてくれる不動産会社をつなぐサービスです。
LGBTQとの関連性 「同性同士だから」という理由で希望する住まいを借りることができない人が、LGBTQフレンドリーな不動産会社を探せます。LGBTQだけでなく外国人や高齢者、シングルマザー・ファザーに対しても、それぞれに親身になってくれる不動産会社を紹介できます。

LGBTQに対する理解が徐々に広がりつつある現在。LGBTQの人々の権利を守り、不合理な人権の制約を是正するには、今後もより多くの人が彼らを取り巻く状況を理解し、共に声を上げることが大切です。
どんな人もありのままの自分で生きられる社会の実現を目指し、まずはさまざまな境遇にある人の事情への理解を深めることを意識していきましょう。

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