結婚と家族のこと 〜自由な選択への気づき〜
「結婚をする必要があるのかわからない」「恋愛が苦手だから結婚もできない......」
「家事はワタシだけがやるべきこと?」結婚や家族の関係にはいろいろな悩みや不安があるもの。
LIFULLは、あらゆる人が年齢や性別、国籍などの属性に関係なく活躍できるよう
あなたの「結婚前後」の悩みや不安が少しでも軽くなったり、今の自分を大切にできたり、
これからのヒントになるような言葉やストーリーを選びました。
いま自分なりの生き方にたどり着いたあの人たちも、同じように悩み、考え、行動した。
その体験や経験を参考にあなたらしい選択ができますように。
誰もが結婚しなくちゃいけないの?と疑問に感じていたら
結婚をしても幸せになるとは限らないけれど、裏を返せば、結婚しなくたって人は幸せになれます。例えば、独身でも夢中になれる趣味を持っている方は、結婚している方と同じくらい幸福度が高いんです。その幸せは自分なりの喜びや社会的な役割があるからこそ感じられるものであり、既婚・未婚という状態だけが幸・不幸の決定要素ではありません。毎日何もすることがなくて退屈で……というほうがよっぽど不幸かもしれない。自分がどんな時にどう幸せを感じるかどうかだけを、物差しにしていればいいんです。
日本で結婚(法律婚)は、役所に男女が婚姻届を提出する『届け出婚』を意味します。一方アメリカでは、儀式を行うことで婚姻が認められる『儀式婚』のほか同棲が正式の結婚と認められる『事実婚』など、いくつか種類があります。
日本の制度はあまりに画一的で、『結婚』か『未婚』の2択しかありません。さらに、法律婚は税制、福祉、相続などあらゆる面で優遇されます。これでは公に『結婚は最良の選択』と言われているようなもので、制度に当てはまらない人たちを疎外することにつながります。もう少し選択肢が増えればいいなと思いますね。
恋愛に重きを置く人にはピンとこないかもしれませんが、友情を持ったまま共同生活が続いていると、相手に期待しすぎず、「嫌われたらどうしよう」と考えることもありません。だけど、この先も絶対に一緒に居られるという確信があるのが「友達婚」。結婚生活に絆や親愛を求める人は一度視野に入れてみてもいいかもしれませんね。
結婚後の家族との関係に悩んでいたら
自分は20年ほど、キャリアを積んできました。妻はそれを支えてくれてきた存在です。そんな妻が『チャレンジしたい』と話している時に支えてあげられないのは、フェアではないと考えるようになっていきました。
(中略)
これからは『1億総しゅふ化』の時代だと考えています。家事は生きるために誰しもがやらなければならず、全員が主体であって当然だからです。例えば夫妻がそれぞれ半分ずつ担当すればいい――といった分量の話ではなく、あくまで全員が自分ゴトとして家事を認識することが重要ではないでしょうか。それによって見えてくるものも、きっとあるはずです。
今ではすごく後悔しているのですが、その時は仕事や締め切りを落とさないことで頭が一杯でして。家のことはたまに手伝うくらいで、妻に任せっぱなしだったんです。妻は何も言わなかったのですが、後で考えると言えなかったか、言わないでくれたのだと思います。
でもある時、育児がテーマのインタビューを受け、僕が『家事を手伝うこともあります』って答えたら、編集さんから『家事は手伝うものじゃなくて、一緒にするものじゃないですか?』ってコメントが来て、それから自分の考え方について見直すようになりました。
『(自分は)こんなもん』って思っちゃうとすごく楽だとは思うんですけど、もったいないですよね。私自身が置かれている環境を他の人と比較したら、捉え方によっては子育てと仕事の両立も大変だし、2拠点間の移動が疲れるっていう感想で終わると思うんですけど、自分の選んだ道ってわかっているから、『こんなもんじゃない』という意識で、どうやったら今の生活がちょっとでも改善できて楽しめるかなって考えています。子どももいるからには楽しもうと思って、見えてきたこともありますね。子どもがいなかったらいないで、金曜夜から一人旅に行ける生活が心地いいって答えてたと思いますよ。
女性の生き方が多様化している現在でも、男の人の選択肢って一本道なんですよね。しかもより多く稼がないと価値がないと言われたり、出世しないと負け犬扱い。だから私の夫が会社を辞めたのも、すごく勇気のいることだったと思うんです。『男とは、女とはこうあるべき』と刷り込まれてきた古い思い込みに私自身も周りの人もまだ縛られている。だったらこのような概念や、それを基に作られた制度を変えていきたいなと。そのほうが建設的だという気づきを得られたのはすごく大きかったですね。
別居を始めてから約20年間、夫の家にはほとんど行っていないですね。
(中略)
近くに誰かがいると、無意識のうちに相手の判断に頼ってしまうんですね。食器を選ぶのもそうだし、何かトラブルが起こった時もそう。もちろん、気軽に相談できる相手がいるのはとてもいいことなんですけど、頼りすぎるといつまでたっても自分の判断に自信が持てないままでいるんです。そして自分で決断したわけじゃないから、予想外の結果になったら相手を責めたり、後悔したりしやすい。私は別居によって、自分で決めなければいけない機会がぐっと増えました。最初は恐る恐る決断していましたが、だんだん自分で決めることが楽しくなってきて。人生って“判断の連続”だから、自分の判断力に自信がついてくると、これからの人生が希望に満ちあふれてくるんです。
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安達さんは政府機関への勤務や限界集落への移住、海外留学などさまざまな場所・組織に身を置き、忙しない生活を送ってきた。その中で、「人間が人間であるための心の拠り所」として、言葉と絵で物語を表現する創作活動を続けている。現在では専業作家として活動する彼女の経歴は、どのように紡がれてきたのか。この記事では、安達さんが歩んできた道のりを振り返る。
「しなきゃ、なんてない。」をコンセプトに、読んだらちょっと元気になる多様な人の自分らしく生きるヒントやとらわれがちな既成概念にひもづく社会課題ワードなどを発信しています。