失敗=ダメなこと、なんてない。

ソーシャルエンタープライズとして事業を通して社会課題解決に取り組む株式会社LIFULLには、業界の常識を変えたい、世の中に新しい仕組みをつくりたい、という高い志を持つ同志たちが集まっています。
LIFULLの描く未来の実現や個人が解決したい社会課題への取り組みなど、多様なLIFULLメンバーのこれまでの「挑戦」と「これから実現したい未来」を聞く、シリーズ「LIFULL革進のリーダー」。今回はクリエイティブ本部の中でコーポレートブランディングの責任者として、TVCMやオウンドメディア、ホームレス・ワールドカップ2024日本代表への協賛などさまざまなプロジェクトに挑戦してきた畠山 大樹に話を聞きます。
連載 LIFULL革進のリーダー
- 第1回LIFULL HOME'S事業本部 営業 マネジャー 坪井 洋介
- 第2回LIFULL HOME'S事業本部 プロダクトエンジニアリング部長 河津 隆洋
- 第3回LIFULL HOME'S事業本部 事業統括部長 鈴木 章浩
- 第4回LIFULL HOME'S事業本部 マーケティング マネジャー 遠藤 夏海
- 第5回クリエイティブ本部 デザインマネジャー/アートディレクター田中 忍
- 第6回LIFULL HOME'S事業本部 営業 マネジャー 加藤 直
- 第7回テクノロジー本部 シニアプリンシパルエンジニア 相原 魁
- 第8回LIFULL HOME'S事業本部 営業 佐藤 優里奈
- 第9回LIFULL HOME'S事業本部 サービス企画 マネジャー 笹本 昂
- 第10回クリエイティブ本部 デザイナー 上垣 陽和
- 第11回LIFULL HOME'S事業本部 エンジニア 高詰 ありさ
- 第12回LIFULL HOME'S事業本部 マーケティング マネジャー 樋口 貴成
- 第13回LIFULL HOME'S事業本部 エンジニア マネジャー 花井 俊介
- 第14回クリエイティブ本部 マーケティング マネジャー 畠山 大樹
- 第15回LIFULL HOME'S事業本部 サービス企画マネジャー 三枝 由里

LIFULLへの転職に際し、広告代理店の営業職から、マーケティング職へのキャリアチェンジをした畠山。童謡「オバケなんてないさ」の替え歌「しなきゃなんてないさ」でおなじみのTVCM、オウンドメディア「LIFULL STORIES」など、LIFULLという企業をより多くの人に認識してもらうことを目的としたコーポレートブランディングに注力してきました。その他、ホームレス・ワールドカップ2024日本代表への協賛プロジェクトなど多くの成果をあげ、コーポレートブランディングを通じた社会課題の解決をリードしています。
日本では同調圧力が強く、どうしても「自重しなきゃ」と考えてしまう人が多いと感じます。でも、「しなきゃ、なんてない。」です。失敗を恐れず挑戦できる社会を創っていきたいです。
ブランディングの戦略立案から効果検証まで一貫して関わりたい
――LIFULLへの入社を決めた理由を教えてください。
私はもともと大手広告代理店で6年ほど営業の仕事をしていました。楽しかったのですが、クライアントと関われば関わるほど物足りなさも感じるようになっていきました。企業活動は多面的に継続していくものですが、代理店の立場では広告領域での関わりに限定されてしまったり、案件のある一定の期間が終了すると、その後の長期的な効果を追いきれなかったりします。
より深く長期的に企業のブランディング、マーケティングに関わることのできる事業会社に入りたいと考えていたときにLIFULLと出合いました。LIFULLをよく知っている方に話を聞いてみると、ビジョンやミッションを明確に定め、みんながそれを理解し、一丸となって進んでいる企業だとわかりました。また、社員がとにかく会社のことを想っているという点も魅力に感じました。
――入社してから、どんな業務に取り組んできましたか?
前職の営業から、LIFULL入社のタイミングでマーケティング職へとキャリアチェンジしました。より広範囲に事業を見て、企画から実行、分析まで取り組みたいと考えたからです。
LIFULLでは、コーポレートブランディングを目的とした戦略立案、企画実行、効果検証まで一貫して内製しています。TVCM「しなきゃ、なんてない。2021年」の制作、オウンドメディア「LIFULL STORIES」やLIFULLの企業公式アカウントの運営などにも取り組んできました。また、自社事業を通じて解決すべき社会課題を可視化した「LIFULL アジェンダ」の作成にも携わりました。
「ホームレス・ワールドカップ2024」の日本代表に協賛
――畠山さんがチャレンジしたプロジェクトの一部を教えてください。
「ホームレス・ワールドカップ2024」の日本代表に協賛したプロジェクトを紹介します。ホームレス・ワールドカップは、ホームレス状態の人が一生に一度だけ参加できるストリートサッカーの世界大会です。ホームレスの存在しない世界を目指すことが大会のビジョンとして掲げられていて、事業を通じて社会課題の解決を目指すLIFULLのビジョンと非常に親和性がありました。また出場する当事者の方々が広義のホームレス状態であり、この大会を不安定な居住環境から抜け出すきっかけにするという考えに強く共感し、ぜひ協賛したいと考えました。
私はコロナ前から、事務局となっているダイバーシティサッカー協会と交流があり、ホームレス状態にある方々とのフットサルに参加したりしていました。しかしコロナ禍に入ってしまい、イベントの企画や開催が難しい状況が続いていたんです。それからコロナ禍が落ち着き、2024年にアジア初のホームレス・ワールドカップが韓国で開催されることになり、日本代表は13年ぶりに大会に出場することになりました。ぜひ協力したいと思いましたが、そこから実現に至るまでは大きなチャレンジでした。
――どんな点が難しかったですか?
LIFULLが協賛することの社会的意義や当事者の方々への支援、そして企業としてどのようなメリットがあるのかを具体的に検討するなどして、社内の合意を得ていく必要がありました。
社会的意義としては、まず海外と比べて日本ではホームレスの課題に対して光が当てられてない現状がありました。海外では、友達の家で寝泊まりしている方なども含め、「住居が不安定な状態にある人」をホームレスと広義に定義していることが多いです。その一方、従来日本では、「路上や公園など屋外で生活している人」のみをホームレスと定義していて、例えばネットカフェ難民はホームレスとみなされません。これまでも当社は不動産・住宅情報サービス「LIFULL HOME'S」を通して、ホームレス状態などの生活困窮者や家族に頼れない若者などあらゆる人の叶えたい暮らしの実現をサポートしてきました。その当社がホームレス・ワールドカップ日本代表への協賛や社会に対する実感調査を実施し、結果を発表することで、広義のホームレス問題の理解促進につなげていくことに、社会的意義があると考えました。
他にも、投資をすることによる効果などを具体的に試算し、社内で合意を取っていきました。
――チャレンジを通して、どのような成果が得られましたか?
日本代表チームは、これまで不戦勝やPK戦での勝利(引き分け扱い)こそあったものの、自力で勝ったことがありませんでした。前回出場した2011年パリ大会では48チーム中、最下位の48位でした。しかし今大会では史上初めての自力での勝利を挙げることができ、フェアプレー賞を受賞することもできました。勝ち負けではなく、あくまでも「ホームレスの方々の人生や生活を変えること」「ホームレス問題に対する偏見や無理解を是正すること」が大事なのですが、この自力勝利という結果は参加者の方々同様、私も非常に嬉しかったです。
日本におけるホームレスという社会課題に対して、明るい兆しを生むような歴史的な取り組みに協賛をし、日本代表チームのオフィシャルスポンサーとしてサポ―トできたことは自分にとっても素晴らしい挑戦でした。
また大会に協賛するだけでなく、実際にホームレス状態の方々に対する住まい探しの支援も行っている点も重要です。LIFULL HOME'Sでは「FRIENDLY DOOR(フレンドリー・ドア)」というサービスを通じて、高齢者・外国籍の人・LGBTQの人・生活保護利用者などの「住宅弱者」と、親身になって相談にのってくれる不動産会社をマッチングする仕組みを以前から提供しています。大会終了後には「不安定な居住状態の若者や女性への住まい探しと就労支援の相談会」というイベントを初開催しました。このイベントは、住まいを借りづらい”住宅弱者”への取り組みを行うLIFULL HOME'Sと、就労支援のノウハウを持つパーソルキャリア様と共同で企画・開催しました。今後も日本におけるホームレスや住宅弱者といった社会課題に対する取り組みは引き続き行っていければと考えています。
既成概念にとらわれない社会へ
――畠山さんが解決したい社会課題は何ですか?
ホームレス状態の方々への支援を、これからも継続していきたいと思っています。自分の叶えたい暮らしを求めるあらゆる人が安心して住める場所と出合えるる社会にしていきたいです。
また、現在会社の兼業制度を使って、社外のプロジェクトとして子育て用のプロダクト開発にも携わっています。私自身も子育てをしているのですが、小さい子どもをベビーカーに乗せたり、抱っこしたり降ろしたりするのはなかなか大変で、課題を感じています。少子高齢化が進む中で、少しでも子育てが楽しくハッピーになることは社会課題の解決につながると考えています。社内外問わず、社会課題の解決に向けてチャレンジを継続していきたいです。
――畠山さんの「しなきゃ、なんてない。」を教えてください。
「失敗=ダメなこと、なんてない。」です。広告代理店にいた時から含めると、これまでにたくさんの失敗をしながら成長させてもらいました。失敗が私を作っていると言っても過言ではありません。
LIFULLでは、失敗を恐れずに挑戦させてもらえる環境があり、挑戦することで結果や成長につながっています。私は、TVCM「しなきゃ、なんてない。2021年」の制作を入社2年目で担当させてもらいました。予算金額が大きく、多くのステークホルダーが関わるプロジェクトで、企画から実行までリードさせてもらえる環境はありがたかったです。
日本には社会や組織からの同調圧力が強く、どうしても「失敗してはいけない」「挑戦して出る杭になってはいけない」「自重しなきゃ」と考えてしまう人が多くいると感じています。でも、「しなきゃ、なんてない。」とある通り、既成概念にとらわれない社会を創っていきたいです。私はこれからも失敗を恐れずに挑戦を続けて、社会に貢献していきたいと思います。

制作会社でのウェブディレクター、大手広告代理店での営業を経て、2019年1月にLIFULL入社。責任者としてLIFULLのコーポレートブランディングにおける戦略立案・実行を担当し、「LIFULL STORIES」の運営やTVCM「しなきゃ、なんてない。2021年」の制作、ホームレス・ワールドカップ日本代表チームへの協賛プロジェクトなどに携わる。現在では、LIFULL HOME'Sのクライアント向けマーケティング施策の提案・実行も担当している。
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