昼のひととき、花と手仕事で五感を整える -モデル/デザイナー雅姫さんインタビュー
毎日をせわしなく過ごしていると、五感に目を向ける余裕がなくなっていきませんか。朝のコーヒーの香りや旬の食材の美味しさ、植物に触れたときの心地よさは、少し意識を向けるだけで感じられるものであり、日々を豊かにしてくれる合図です。今回は、分譲マンションブランド「THE LIONS」が掲げるステートメント「人生には価値がある」を紐解くために、3人のプロフェッショナルに話を聞きました。それぞれの言葉からは、暮らしをより深く味わうためのヒントが見えてきます。
モデルとしてデビューし、現在は〈HUG Ō WäR(ハグ オー ワー)〉と〈Cloth&Cross(クロス&クロス)〉のプロデューサー・デザイナーとして活躍する雅姫さん。26年にわたり丁寧にものづくりを続ける一方で、暮らしの中では花を生け、愛犬と穏やかな時間を過ごすなど、日々の小さな喜びを大切にしています。今回は、昼のひとときを彩る「花と手仕事」の時間について、お話をうかがいました。
ザ・ライオンズ世田谷八幡山棟内モデル 2025年10月撮影
花と向き合う時間が、心をそっと整えてくれる

――今回は、雅姫さんに花を生けていただきました。花と花器はどのように選ばれたのですか?
よく通うお花屋さんにお願いして、どんな空間にもすっと馴染むように選んでもらいました。強い色のお花を入れると場所を選ぶこともあるので、グリーンや白を基調にした落ち着いた雰囲気に。よく見ると、コスモスなど季節を感じる花がさりげなく入っているんですよ。
花器は〈Cloth&Cross〉で別注した安部太一さんのジャグです。凛とした白の器に、ざっくりと束ねた花を少し剪定して生けるだけで、空間がふわりと整うんです。
お気に入りの花器があると、どんな花も不思議と引き立って、季節の心地よさを運んでくれます。

――ご自宅で花を飾るときに心がけていることはありますか?
暮らしの中で、いつも季節感を大切にしています。飾るのは主に玄関とキッチン。玄関はお客様を迎える場所なので、花があると空気が明るくなる気がします。キッチンは、私が家の中で一番長く過ごす場所。余白を残した棚にお花を一輪置くだけで、気持ちがやわらぎます。花の命は短いからこそ、一番目に触れる場所に飾って、日々の心を整えてくれる存在でいてほしいです。
――暮らしに花を取り入れるためのヒントをいただけますか?
私の場合はガラスや陶器など様々な質感やフォルムの花器たちとの出逢いから始まります。お気に入りの花器に出逢うと、花遊びもますます楽しくなります。お花屋さんで一輪を選ぶだけでも十分。飾っているうちに、それぞれの花の個性やつきあい方が見えてきます。そうして季節ごとに花を選ぶ時間が、暮らしに小さな変化を生んでくれる気がします。

――自分で選んで生ける時間が、暮らしの一部になっていくのですね。
お花に触れていると、光の入り方や影の動きなど、空間の見え方に敏感になります。
「次は絵を飾ってみようかな」と思うようになったり、少しずつ空間を育てていく過程も暮らしの楽しみです。
“きれいに整える”より“好きを楽しむ” 雅姫さんの空間づくり

――雑誌やInstagramで拝見する雅姫さんのご自宅は、とても温かみがあります。どんなふうに空間をつくられているのでしょうか。
お花や絵のある空間そのものが好きなんです。散らかりがちなキッチンにも心安らぐディスプレイコーナーを作り、料理しながら眺めています。それだけで不思議と気持ちがやわらぐんですよ。
“ミニマリスト”という言葉もありますが、私は好きなものを見える場所に置いておきたいタイプです。愛着を持って選んだものは、しまっておくより飾って楽しみたい。お花や器を並べるときは、高低差をつけたりバランスを意識して、空間づくりを楽しんでいます。
――毎日忙しくても、少しずつ整えるコツはありますか?
家全体を完璧に保つのは大変ですよね。だから「今日は玄関のこの一角だけ整えよう」と、無理せずできる範囲で手をかけます。お花を小さな器に移したり、枯れた花びらをそっと取り除いたり。そうした小さな手入れの時間が、暮らしの空気を軽くしてくれる気がします。

――今日は、ザ・ライオンズ世田谷八幡山の棟内モデルルームでお話を伺っています。例えばお引越しの際は、どんなことから始めますか?
まず、普段使っている椅子を置いて空間の広さや雰囲気を感じるところから始めます。「早く片付けなきゃ」と焦るよりも、お気に入りの道具など愛着のある物を並べて“好き”を感じる場所をつくる。 そこから少しずつ、自分の居場所が育っていくように感じます。
<Afternoon Playlist>雅姫さんが昼に聴きたい一曲は?
いろいろな曲を聴きますが、1曲選ぶとしたらリッキー・リー・ジョーンズの「アイ・ウォント・グロウ・アップ」です。
※「大人になんてなりたくない!」リッキー・リー・ジョーンズが奏でる、自由で無邪気な魂のアンセム。 心の中の“子ども”を思い出させてくれる名曲。
好きなことを続けることで見えてくる、暮らしの豊かさ

――HUG Ō WäRとCloth&Crossのデザイナーとして多忙な日々でも、ストレスを感じない秘訣は?
楽しんで仕事をしています。ものづくりが本当に好きなんです。今日お持ちした安部太一さんのジャグもそうですが、作家さんの感性に触れながら仕上がりを待つ時間も、デザインチームのスタッフと共に企画から洋服が形になっていく過程も楽しい。思い通りにいかないこともありますが、それも含めて楽しさを感じます。
――雅姫さんのデザインする洋服は、細部まで丁寧につくられてさりげない上質さを感じます。
上質な素材選びや、デザインの小さなこだわりがお客さんに伝わって言葉をかけられた時は本当に励まされます。袖を通したときに心地よさや高揚感を感じてもらえるなら、やっぱり丁寧に作り続けてきてよかったと思います。

――THE LIONSの掲げる「上質な暮らし」という言葉と、どこか重なりますね。
“上質”というと特別なものを想像しがちですが、私にとっての上質は、時間をかけて選び、長く暮らしに寄り添ってくれるものたちに囲まれること。昔から、自分の目で見て手で触れて「これ、いいな」と感じたものを、少しずつ暮らしに取り入れてきました。そうして時間をかけて選んだものは、気づけば何十年経っても暮らしに寄り添ってくれていることが多いんです。それらとともに日々を重ねていくうちに、空間にも穏やかな深みが生まれていくように感じます。
――最後に、「人生には価値がある」という言葉に重ねて、いま幸せを感じる瞬間を教えてください。
街で偶然、自分がデザインした洋服を着てくださっている方に出会った時には、思わず声をかけてしまうほど嬉しくて。ものづくりをしていて、「やっていてよかった」と思える瞬間ですね。

<物件公式ホームページ>ザ・ライオンズ世田谷八幡山
https://lions-mansion.jp/MN220040/
<関連情報>
ザ・ライオンズ世田谷八幡山の詳細
東京都世田谷区「八幡山」エリアの住みやすさを紹介。新宿まで18分の落ち着いた住環境での暮らし
ザ・ライオンズ世田谷八幡山棟内モデル 2025年10月撮影
ヘアメイク:岩井裕季
衣装:Cloth&Cross
執筆:石川歩
撮影:阿部拓郎
編集:LIFULL STORIES
モデル/デザイナー
1990年マガジンハウス「anan」でモデルとしてデビュー。
以降、雑誌、CMなどで活躍。
東京自由が丘に着心地の良い大人のカジュアル服の店「ハグ オー ワー」と、暮らしを彩る衣食住を提案する店「クロス&クロス」の2店舗をプロデュースし自らデザイナーも務める。その暮らしぶりは幅広い年代の女性に支持されライフスタイルをまとめた著書多数。四頭の愛犬との日常が楽しいインスタグラムも大人気である。
@mogurapicassowols
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