LIFULL × 3人の人気小説家・芸人によるソーシャルイシューストーリー

地方創生みんなの心にワクワクを友近

日本各地に出向いて地域活性化のために何かできないかと考え、私がまずやり始めたのは、水谷千重子(私の別人格)による四十七都道府県コンサートでした。「水谷千重子ありがとうコンサート」という名前で開催している、地域密着型のコンサートです。主要都市だけではなく、いわゆる過疎が進んでいる地域で開催することで、その町が少しでも活気づいてくれたら、という思いで始めました。

コンサートは地域密着型のため、「千重子キッズ」という、ダンスが好きな地元の子どもたちを事前に募集し、そのご当地キッズダンサーと千重子の共演、というものを考えました。結果、たくさんの子どもたちが協力してくれて、何よりも親御さんたちが喜んで、ご近所や親戚と一緒に見に来てくださり、お祭り騒ぎになりました。

活気ってやはり大事なんですよね。活気がないと町はさみしい。でも、ゴーストタウンになりつつある町って全国に山ほどあるんですよね。

私は地元・愛媛の観光大使もやらせてもらっていて、「まじめなえひめ研究所」というプロジェクトにも関わっています。愛媛をもっと知ってもらって、好きになってもらって、観光に来てもらって、ゆくゆくは愛媛に住みませんか? という働きかけです。

もともと古民家めぐりに興味がありましたが、愛媛の古民家を何軒か見に行ったときに、いろんな課題を住民の方々が抱えているのを知りました。課題とはまず、古民家がありそうで、実はないという現状でした。つまり、今は住んでおらず空き家なのに、売りに出せない人たちが多いということ。

なぜかというと、仏壇があるので動かせず売り出せない、孫が帰ってくるかもしれないから手放せない、売ると、何かお金に困っているのかなと近所の噂になるのが……という理由まであって、少しびっくりしました。でも、実際私がある古民家を見に行った時、次の日には、芸能人の友近が古民家を見にきていた、あの家を買うのか? と、かなり広範囲に知れわたっており、田舎は本当にコミュニティ内の繋がりが徹底しているな、と実感しました。

しかし空き家がこのまま増え続けると、まさにゴーストタウンになり、人すら寄り付かない町になる。そこで今、地域創生の一環として、外から来た人たちをあたたかく迎え入れる活動が大事になってくるのです。

実際に過疎化が進んでいる、愛媛県は伯方島にうかがいました。今治西高等学校伯方分校がありますが、こちらの学校は、生徒数減少傾向にありました。これからも存続できるようにと、地域の各方面の方々がいろんな取り組みをされています。

そのうちの一つのプロジェクトとして、生徒が地域の方と向き合う、情熱授業というプログラムがあります。島には学習塾がないため、進学するための特別プログラムを企業と組んで作ったり、授業では教えてくれない人生の勉強のために、「放課後情熱学園」というものを作り、校長にMr. 都市伝説の関暁夫さんが就任するなど、全国から生徒さんが集まってきやすい、ワクワクする環境作りを整えています。

こちらの学校は、県外からの生徒に(一部県内も)補助金制度もあり、寮も完備、寮母さんにもお会いしましたがとにかく明るくお料理上手、みんなを笑顔で迎えて下さいます。そして学校は海の真ん前、自然とふれあえる最高の立地でした。

とにかく、新しく町に入る人を迎え入れる器の大きさ、やさしさや配慮は、すごく大事だと思います。移住者の方にとってあったかい町づくりをこころがけて、もちろん移住する方もですがマナーを守って、町が元気になればいいですね。

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25周年特別インタビュー

①今回ご執筆いただいた中で特にこだわられた部分、特に注目して読んでほしい部分を教えて頂けますか?
水谷千重子のコンサートが地域活性化に繋がるということが町の方がおっしゃってくださったので嬉しかった。これからも続けたいです。
手放せない空き家が沢山あること、やはり田舎は噂話がすぐまわるっていうのはほんとなのかな、ただ噂だけじゃなく、町全体で、みんなが無事かという安否確認が一体化していていると捉えると、素晴らしいことではあるんですよね。
②本作品のテーマの「地方創生」において、ご自身として何か思われることはありますか?
とにかく活性化を望んでいる地方が多く、自分がその町にうかがうことが活性化に繋がるということ。
自分が受け入れる立場として考えたら、やはりこちらから、来る人の緊張をほぐしてあげて、いい距離感をもって接してあげたいなと思います。
③本作品のテーマである「地方創生」をご自身、もしくは身近な方が経験されたことはありましたか?
私自身コンサートで各地にうかがったり、古民家探し、学校訪問をやっています。知り合いにも実際愛媛に移住された方がいて、自分のもっているノウハウを、愛媛の活性化に繋げたいと各方面で活躍されています。
④読者の方々にメッセージをお願いいたします。
新たな生活がワクワクするような環境をみんなで作りたいですね。人の繋がり、結の精神を白川村の方は大切にされていますが、みんながマナーを守って町の事を好きになれば、人は必ず認めてくれてついてきてくれる!そう信じたいですね!
Profile

友 近

2000年デビュー。2003年にNHK新人演芸大賞で大賞受賞。
お笑い芸人として活動する一方、女優として舞台、ドラマ、映画でも活躍。
2019年、「嘘八百」で第28回日本映画批評家大賞助演女優賞を受賞。

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